ぶらんこ (ルノワールの絵画)
『ぶらんこ』(仏: La Balançoire)は、フランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワールにより1876年に描かれた絵画である[1]。パリにあるオルセー美術館に所蔵されている[2]。
フランス語: La Balançoire 英語: The Swing | |
作者 | ピエール=オーギュスト・ルノワール |
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製作年 | 1876年 |
種類 | 油彩、キャンバス |
寸法 | 92 cm × 73 cm (36 in × 29 in) |
所蔵 | オルセー美術館、パリ |
ルノワールは製作当時、モンマルトルのコルト通り12番地にアトリエを構えており、その裏手にあった庭で、本作は描かれた[2][3][4][5][6][7][8]。本作は、1877年の第3回印象派展に出品・展示されるも、芳しい評価が得られず、画家で友人のギュスターヴ・カイユボットによって買い取られた[2][9][10]。
作品
編集ブランコのある庭に男女が集っており、木漏れ日が降り注いでいる。女性は、男性から少し顔をそむけ、照れたような微笑みを浮かべている[11]。
ブランコに乗っている女性のモデルは、ルノワールのアトリエの近くに住んでいた女性、ジャンヌである[12]。彼女は、同時期に描かれた『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』でも登場しており、道でルノワールにスカウトされてモデルになった[1]。髪は栗色の巻き毛で、白地にやや紫がかったブルーのリボンがあしらわれたドレスを身にまとっている。ドレスは、腰の部分にボリュームをもたせた「バスル・スタイル」と呼ばれるもので、1870年代に大流行した[1]。
女性の前に立っている男性は、青い上着を身につけている。その傍らでは、幼い女児が女性を見上げている。その後方で、黄色い服の男性が青い上着の男性に視線を投げかけている[13]。小径の奥には、男女が何組か描かれている[14]。
脚注
編集- ^ a b c 佐々木宇蘭 (2016年2月14日). “バラ色のパリ、着飾る庶民を活写 都市と田園のきらめき(上)”. 日本経済新聞 2019年1月12日閲覧。
- ^ a b c “「ルノワール」展”. 日本経済新聞 2019年1月12日閲覧。
- ^ “モンマルトル美術館”. モンマルトル美術館. 2019年1月12日閲覧。
- ^ “ルノワールの庭”. モンマルトル美術館. 2019年1月12日閲覧。
- ^ 宮澤政男. “展覧会紹介”. Bunkamura. 2019年1月12日閲覧。
- ^ 増田葉子. “モンマルトル 芸術家の集ったパリの丘”. メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド. 2019年1月12日閲覧。
- ^ “印象派を巡る旅”. ノルマンディー地方観光局. 2019年1月13日閲覧。
- ^ “印象派ゆかりの地”. フランス観光開発機構. 2019年1月13日閲覧。
- ^ “オーギュスト&ジャン”. Bunkamura. 2019年1月12日閲覧。
- ^ “マダム・ド・モンタランベールのミュゼ訪問 56 モンマルトル美術館”. メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド. 2019年1月12日閲覧。
- ^ “木漏れ日の庭 今も丘に”. 日本経済新聞. (2016年5月4日) 2019年1月12日閲覧。
- ^ “オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵「ルノワール」展 鑑賞ガイド”. 文化庁. 2019年1月12日閲覧。
- ^ 水原紫苑 (2016年5月20日). “ぶらんこ 歌人・水原紫苑”. 日本経済新聞 2019年1月13日閲覧。
- ^ 『もっと知りたいルノワール』 2009, p. 22.
参考文献
編集- 島田紀夫『もっと知りたいルノワール 生涯と作品』東京美術、2009年。ISBN 978-4-8087-0872-6。