ふさおとめ
ふさおとめは、イネの品種の一つ。
ふさおとめ | |
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属 | イネ属 Oryza |
種 | イネ O. sativa |
交配 | ひとめぼれ×ハナエチゼン |
亜種 | ジャポニカ O. s. subsp. japonica |
品種 | ふさおとめ |
開発 | 千葉県農林総合研究センター |
概要
編集千葉県農業試験場で1990年に父:越南146号(後のハナエチゼン)、母:東北143号(後のひとめぼれ)の組合せで交配した[1][2]。育種年限を短縮するため、交配の翌年にバイオテクノロジーの葯培養法を行う[1][2]。その結果得られた倍加個体[3]から得た穂を穂別系統選抜[4]し、1992年に有望な1系統に「佐系葯97号」の系統名が付与された[1]。1993年に生産力検定及び各種特性検定の結果を総合し地方系統名「千葉6号」が付与された[1][2]。1995年には水稲奨励品種決定基本調査、及び現地調査を行った結果、品種として有望と認められたため、同年12月に種苗法に基づく品種登録申請を行い、1997年3月に奨励品種に採用された[1][2]。
1996年8月に名称の公募を行い、27850点の応募の中から1997年1月に、房総半島の『ふさ』に乙女を組み合わせて「ふさおとめ」と命名された[1]。1998年に初出荷[5]。
冷害に強く、いわゆる早場米であるとともに、食味評価Aを得るなど、隠れた名産米である。2016年現在、外食・中食向けの業務用米として多用されている[6]。大阪堂島商品取引所のうち、業務用米が取引される「東京コメ」市場にて2015年から指標銘柄のひとつとなっている[7][8]。
交配品種
編集ふさおとめを交配親とした品種には以下のようなものがある(品種名が定められたもののみ抜粋)[9]。
ふさおとめちゃん
編集ふさおとめのキャラクター「ふさおとめちゃん」は、赤いリボンをつけ、菜の花(千葉県の県花)の帯、赤い和服を着たおとめの姿をしている[10]。「その萌え要素を含んだ姿や初交配」という言葉から、一部にファンがおり、関連するウェブサイトや、フィギュアを作る者も現れた。[要出典]
ただ、ふさおとめの出荷範囲の関係から千葉県のローカルキャラクターに近い扱いを受けている。[要出典]
原作者はイラストレーターのkeina。[要出典]
脚注
編集- ^ a b c d e f 渡部富男 1999.
- ^ a b c d 「8.水稲新品種「ふさおとめ」の育成 Archived 2010年10月25日, at the Wayback Machine.」 農林水産技術情報協会、2010年10月8日閲覧。
- ^ 葯培養によって、通常は数世代にわたる自家受粉が必要である、遺伝子型の固定を1世代で完了させる。
- ^ 葯培養を行う事で、遺伝子型が固定した個体から得られた穂1本分の種子をそれぞれ系統として扱い、比較する。
- ^ 「稲作だより 2009 11月号 Archived 2011年6月15日, at the Wayback Machine.」 JA全農ちば 米穀部。
- ^ “業務用コメ、16年産も高く、家庭用より需要、品薄観測”. 日経MJ. (2016年8月29日)
- ^ “16年産業務用米4割高、コメ先物、品薄観測強く”. 日本経済新聞. (2016年4月21日) 2016年9月15日閲覧。
- ^ “コメ先物、指標銘柄を変更 大阪堂島15年産から”. 日本経済新聞. (2015年3月27日) 2016年9月15日閲覧。
- ^ “「 ふさおとめ 」を親にした品種一覧”. 農研機構. イネ品種 データベース. 2023年6月19日閲覧。
- ^ 「ちばのお米」 千葉県庁、2010年9月13日。
参考文献
編集- 渡部富男「水稲品種「ふさおとめ」の育成と栽培・普及について」『日本作物学会関東支部会報』第14巻、日本作物学会関東支部、1999年、7-10頁、doi:10.20768/jcskanto.14.0_7、ISSN 1341-6359、NAID 110001787195。