ひたちBRT
ひたちBRTは、 茨城県日立市で茨城交通(旧・日立電鉄交通サービス)が運営しているバス路線である。廃線になった日立電鉄線の跡地を利用したバス・ラピッド・トランジット(BRT)で、2013年(平成25年)3月25日に第一期区間が開通した[1]。大甕駅から常陸多賀駅までの第二期区間は2018年(平成30年)3月26日に暫定運行を開始[2]、2019年4月1日から本格運行を開始した[3]。
ひたちBRT | |
---|---|
専用道を走行するひたちBRTの大型ハイブリッドバス (2023年1月 泉が森 - 大甕駅西口間) | |
基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 茨城県日立市 |
種類 | 路線バス (BRT) |
開業 | 2013年(平成25年)3月25日 |
運営者 | 茨城交通 |
詳細情報 |
概要
編集日立市が渋滞が激しい南北方向の交通改善を図るため、取得した日立電鉄線跡地をバス専用道として整備、新交通システムとしてBRTを導入したものである。計画は3期に分かれており、段階的に旧久慈浜駅から旧鮎川駅までの約8.5kmを専用道路として整備する。全体の完成後は一般道を経由して日立駅に乗り入れる予定である[4]。
第III期(常陸多賀駅~日立駅間)のルートについては、2021年頃から中央線ルートを基本に検討が進み[5]、常陸多賀駅~池の川さくらアリーナ間を短中期整備区間、池の川さくらアリーナ~日立駅間を長期整備区間としている[6]。常陸多賀駅では、周辺地区整備計画に関連して新たに跨線橋を整備し、運行ルートとして活用する予定である[7]。
専用道上の停留所には上屋が設置され、一部の停留所ではパークアンドバスライド用駐車場やサイクルアンドバスライド用駐輪場が整備されている。
-
専用道と停留所
-
上屋付き停留所
歴史
編集- 2005年(平成17年)4月1日:日立電鉄線廃線[8]。
- 2008年(平成20年)
- 3月・7月:日立電鉄線跡地を日立市が取得[9]。
- 8月:日立市が跡地利活用を進めるため、学識経験者、交通事業者、公募による市民委員などで構成された検討委員会を設置。
- 2009年(平成21年)3月:「日立電鉄線跡地活用整備基本構想」策定[10]。
- 2010年(平成22年):学識経験者、交通事業者、市民委員などで構成された検討委員会により「新交通導入計画」が取りまとめられる[11]。
- 2013年(平成25年)3月25日:ひたちBRT開通[12][1]。
- 2014年(平成26年)1月16日:ひたちBRTがEST交通環境大賞「優秀賞」を受賞[13][14]。
- 2014年度(平成26年度):ひたちBRTの取り組みが「JCOMMデザイン賞」を受賞[15][16]。
- 2015年度(平成27年度):日立市久慈浜地区が第11回まちづくり情報交流大賞「まち交大賞(国土交通大臣賞)」を受賞。ひたちBRTの整備を軸としたまちづくりが評価される[17][18]。
- 2016年(平成28年)2月1日:「日立商業高校」停留所新設(日立商業下 - どうのいり公園間)[19]。
- 2018年(平成30年)
- 2019年(平成31年)
- 2020年(令和2年)
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)5月1日:サンピア日立停留所を再開[30]。
- 2024年(令和6年)度:国内初の自動運転レーンをJR大甕駅周辺に設置予定[31][32][33]。
運行形態
編集ひたちBRT | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
主な停留所を記す。「=」は専用道区間を表す。
平日ダイヤ
編集終日、おさかなセンター - 大甕駅西口(学園前) - 多賀駅前間、大甕駅西口(学園前)- 多賀駅前間の2系統が概ね交互に運行される。
日中はおさかなセンター - 大甕駅西口(学園前) 間が40分間隔、大甕駅西口(学園前) - 多賀駅前間が20分間隔となる。
朝の通勤時間帯には多賀駅前発大甕工場前行および大甕駅西口(学園前)発おさかなセンター行の便、夕方~最終便にかけてはその逆方向の便が加わる。
土曜・日曜・祝日ダイヤ
編集終日、おさかなセンター - 大甕駅西口(学園前) - 多賀駅前 間で30分間隔の運行となり、大甕工場前 - 臨海工場西間は運行されない。
車両
編集大型ハイブリッドバスと中型ディーゼルバスがあり、ひたちBRT用車両は10台あり、「ブルーラピッド」(青色・1台)「さくらラピッド」(桜色・2台)「うみラビッド」(水色・1台)「ポポーラピッド」(黄色・1台)「ものづくりラピッド」(橙色・1台)「かみねラピッド」(緑色・1台)「風流物ラピッド」(茶色・1台)「きららラピッド」(黄緑色・1台)「シビックラピッド」(紫色・1台)の愛称がある[35][3]。
-
ブルーラピッド
-
さくらラピッド
-
うみラピッド
-
かみねラピッド
-
きららラピッド
-
ポポーラピッド
-
ものづくりラピッド
-
風流物ラピッド
-
シビックラピッド
-
自動運転バス
脚注
編集出典
編集- ^ a b “導入計画策定を支援した『ひたちBRT』が開業”. 一般財団法人計量計画研究所. 2014年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月23日閲覧。
- ^ “ひたちBRTが常陸多賀駅まで運行を開始します”. 日立市 (2018年3月5日). 2021年8月11日閲覧。
- ^ a b c “ひたちBRTが本格運行を開始!”. 日立市 (2019年3月5日). 2019年6月2日閲覧。
- ^ “(3)第III期整備計画新交通導入計画” (PDF). 日立市. p. 49. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “『日立市議会だより』(2021年4月、第146号)”. 日立労組日立国分支部 日立市議員団. 2024年4月13日閲覧。
- ^ “『日立市地域公共交通計画』”. 日立市. p. 56 (2024年3月). 2024年4月13日閲覧。
- ^ “日立都市計画における道路の変更に係る地元説明会を開催しました|日立市公式ウェブサイト”. 日立市公式ウェブサイト. 2024年4月12日閲覧。
- ^ “跡地の概要について”. 日立市. 2012年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年10月23日閲覧。
- ^ “電鉄線跡地の概要について”. 日立市. 2014年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “跡地活用の基本構想について”. 日立市. 2014年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月10日閲覧。
- ^ “日立市|新交通導入計画を策定しました”. 日立市. 2023年10月10日閲覧。
- ^ “ひたちBRT、3月25日運行開始…日立電鉄線跡地を走行”. レスポンス. 2013年10月23日閲覧。
- ^ “環境的に持続可能な交通(EST)ポータルサイト 第5回 EST交通環境大賞の結果について”. ESTポータルサイト. 2023年10月10日閲覧。
- ^ “日立市|新交通(ひたちBRT)がEST交通環境大賞「優秀賞」を受賞しました。”. 日立市. 2023年10月10日閲覧。
- ^ “日立市|新交通(ひたちBRT)の取り組みが「JCOMMデザイン賞」を受賞しました。”. 日立市. 2023年10月10日閲覧。
- ^ “平成26年度JCOMM四賞の各受賞者”. jcomm ページ!. 2023年10月10日閲覧。
- ^ “茨城県日立市「久慈浜地区」”. まちづくり情報交流システム. 2023年10月10日閲覧。
- ^ “第11回まち交大賞 受賞地区一覧”. まちづくり情報交流システム. 2023年10月10日閲覧。
- ^ ひたちBRT停留所「日立商業高校」新設のお知らせ - ウェイバックマシン(2016年2月16日アーカイブ分)
- ^ 「ひたちBRT」第2期区間 暫定ルート26日開通 - ウェイバックマシン(2018年3月25日アーカイブ分)
- ^ 「日立市が自動運転バス実証、バス専用道では全国初」『日本経済新聞』2018年10月22日。2019年6月2日閲覧。
- ^ “ラストマイル自動走行の実証評価(日立市)を開始-廃線敷利用のバス専用道路及び一般道での自動運転バスの社会受容性検証-”. 産業技術総合研究所 (2018年8月27日). 2018年12月5日閲覧。
- ^ “ひたちBRT ラストマイル 自動走行実証評価”. 2021年2月9日閲覧。
- ^ “中型自動運転バスによる実証実験の開始”. 産業技術総合研究所 (2020年7月10日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “中型自動運転バスによる実証実験におけるガードレールとの接触事案について”. 産業技術総合研究所 (2020年12月15日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “中型自動運転バスによる実証実験(日立市)におけるガードレールとの接触事案の原因調査結果と対策について”. 産業技術総合研究所 (2020年12月25日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “ひたちBRT自動運転 安全確認のお知らせ”. 茨城交通 (2021年1月20日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “ひたちBRT「サンピア日立」バス停休止します”. 茨城交通 (2021年1月28日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “2月1日よりひたちBRTおさかなセンターバス停発車時刻変更になります”. 茨城交通 (2021年1月28日). 2021年2月9日閲覧。
- ^ “[路線バス] ひたちBRT「サンピア日立」バス停のご利用を再開します”. 茨城交通 (2022年4月26日). 2023年5月4日閲覧。
- ^ “自動運転レーンを一般道に 日立市で24年度、正式発表”. 日本経済新聞 (2023年9月15日). 2024年2月2日閲覧。
- ^ “一般道に自動運転レーン、茨城・日立で国内初…経産省が来年度設置案”. 読売新聞オンライン (2023年9月16日). 2024年2月2日閲覧。
- ^ “『デジタルライフライン全国総合整備実現会議 中間とりまとめ』”. 経済産業省. pp. 16-19 (2023年9月). 2024年2月2日閲覧。
- ^ “日立市バス路線マップ”. 日立市. 日立市公共交通会議 (2024年1月24日). 2024年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月20日閲覧。
- ^ “新交通車両のデザイン及び愛称の決定について”. 日立市 (2013年1月31日). 2019年6月2日閲覧。