なだしお (潜水艦)
ゆうしお型潜水艦
なだしお(ローマ字:JS Nadashio, SS-577)は海上自衛隊の潜水艦。ゆうしお型潜水艦の5番艦。艦名は灘の潮に由来する。本艦以降のゆうしお型は、ハープーンが発射可能となっている。
なだしお | |
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基本情報 | |
建造所 | 三菱重工業神戸造船所 |
運用者 | 海上自衛隊 |
艦種 | 通常動力型潜水艦 |
級名 | ゆうしお型 |
艦歴 | |
計画 | 昭和55年度計画 |
発注 | 1980年 |
起工 | 1981年4月16日 |
進水 | 1983年1月27日 |
就役 | 1984年3月6日 |
除籍 | 2001年6月1日 |
要目 | |
排水量 |
基準 2,300t 満載 2,900t |
全長 | 76.0m |
最大幅 | 9.9m |
深さ | 10.2m |
吃水 | 7.4m |
機関 |
ディーゼル・エレクトリック方式 川崎/MAN V8V 30AMTLディーゼルエンジン × 2基 SG-4B発電機 × 2基 SM-4C電動機 × 1基 蓄電池 × 480個 |
推進 | 5翼スクリュープロペラ × 1軸 |
出力 |
水上 3,400PS 水中 7,200PS |
速力 |
水上 12kt 水中 20kt |
潜航深度 | 450m程度 |
乗員 | 80名 |
兵装 |
HU-603 533mm魚雷発射管 × 6門 (89式長魚雷およびハープーン対艦ミサイルを発射可能) |
C4ISTAR | ZYQ-1 潜水艦指揮管制装置 |
レーダー | ZPS-6(水上) |
ソナー |
ZQQ-3(統合式) SQS-36J(アクティブ) |
探索装置・ その他装置 | 潜望鏡 |
電子戦・ 対抗手段 | ZLA-6 ECM |
艦歴
編集「なだしお」は、中期業務見積りに基づく昭和55年度計画2,200トン潜水艦8092号艦として、三菱重工業神戸造船所で1981年4月16日に起工され、1983年1月27日に進水、1984年3月6日に就役し、第2潜水隊群第3潜水隊に編入され横須賀に配備された。
1985年3月27日、「はましお」とともに第2潜水隊に編入、第2潜水隊は同日付けで第2潜水隊群隷下に編成替え。
1988年7月22日から7月23日にかけて伊豆大島沖展示訓練に護衛艦「くらま」等とともに参加した後、浦賀水道航路を横須賀に向けて帰港中、横須賀沖で遊漁船「第一富士丸」と衝突、この事故で沈没した「第一富士丸」の乗客乗員のうち30名が死亡、17名が負傷する事故を起こした(なだしお事件)。
1994年3月19日から護衛艦「いわせ」等とともにフィリピン方面海上実習に従事し、同年4月27日に佐世保へ帰投する。
1998年3月16日、第1潜水隊群第1潜水隊に編入され、定係港が呉に転籍。
1999年3月21日、護衛艦「たかつき」等とともに第51期飛行幹部候補生課程を卒業した初任幹部67名を乗せて江田島を出航、フィリピン方面外洋練習航海に従事し、同年5月3日に佐世保へ帰投する。
登場作品
編集- 映画前半部分で、極秘任務のためにスイスに派遣された主人公の関谷直人海軍中佐(演:役所広司)がドイツ領海まで日本海軍の伊51潜水艦(モデルとなった実在の潜水艦は、太平洋戦争後期の1944年にドイツに派遣されたものの、往路の途中、ドイツ領海に到着する遥か手前の北大西洋上において、連合国軍の駆逐艦部隊によって撃沈された伊52潜水艦)に便乗するシーンの映像と、特撮シーンを含めた連合国軍の駆逐艦部隊との戦闘シーン(ドイツ領海内で関谷中佐がドイツ海軍の高速魚雷艇に移乗した後、伊51潜水艦は、ドイツ領海内に侵入していた連合国軍の駆逐艦部隊のうちの2隻を雷撃で撃沈するものの、最後は、圧倒的な数の連合国軍駆逐艦部隊の集中攻撃を受けて撃沈される)の映像を交える形で作品中に登場する、海上自衛隊の涙滴型潜水艦は、太平洋戦争当時の伊号潜水艦とは姿形が全く違うものの、この映画の本編において、「なだしお」は伊51潜水艦に扮して撮影に使用された、と言われている(そのため、特撮シーンでの伊51潜水艦のミニチュア模型も、「なだしお」と思しき、「ゆうしお型涙滴型潜水艦」の実物をモデルにしている)。潜水艦内のシーンは、訓練用シミュレーターを利用したとされている。
参考文献
編集- 『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』(海人社、2004年)
- 『世界の艦船 増刊第665集 海上自衛隊潜水艦史』(海人社、2006年)