とんちんこぼうず

『とんちんこぼうず』はNHK総合テレビの幼児向け番組『おかあさんといっしょ』内で放送された人形劇。1969年（昭和44年）10月6日^[1]から1971年（昭和46年）3月29日^[2]まで放送。

概要

『おかあさんといっしょ』の歴代人形劇では3代目に当たる作品で、山寺の和尚さんといたずら好きの小坊主3人組「とんねん、ちんねん、かんねん」（とんちんかん）との「とんち合戦」や、寺の内外で起こる騒動を3人が協力して解決するという、「一休さん」を彷彿とさせるストーリーが展開される^[3]。メインキャラクターの関係が、前作『ダットくん』、前々作『ブーフーウー』のように家族ではなく全員「友達と保護者」、人形劇のタイトルが全て平仮名なのは歴代人形劇で初めてである^[4]。

この作品からカラー放送を実施した^[5]。

人形デザイン（キャラクターデザイン）は引き続き土方重巳が担当したが、背景画などの装置デザインとして、風刺漫画や『かっぱ天国』などで知られ、墨絵漫画にも定評があった漫画家・清水崑が起用されている。

唯一、メインキャラクターが人間かつ小坊主3人組の名前が全員、平仮名表記の設定である（2023年〈令和5年〉現在）^[6]^{[注釈 1]}。メインキャラクターの演者はマスクのみを被っており、扮装は役柄に沿った衣装を着けた「マスクプレイ」スタイルが採用され^[3]、動物キャラなどが従来通りの着ぐるみやパペットだった。また、現時点ではメインキャラクターの声を全員女性声優が担当する最後の作品になっている^[9]^[10]。

放送期間は1年半と歴代最短である^[要出典]。

NHKの談話によると、NHK公式には映像は残っていないとされている^[11]。

キャラクター

メインキャラクター

とんねんぼう: 声 - 増山江威子; 利口者^[12]。
ちんねんぼう: 声 - 松島みのり; 怠け者^[12]。
かんねんぼう: 声 - 大山のぶ代; 乱暴者^[12]。
和尚さん: 声 - 八木光生^[13]; 演 - 高見映（現・高見のっぽ）^[13]; いたずら好きの小坊主達にいつも振り回され、叱っている。長い口髭が特徴^[13]。

サブキャラクター

親ねこ
子ねこ
ともえ
山賊
たぬきのお父さん
まめちゃん

主題歌

「とんちんこぼうず」^[14]: 作詞・飯沢匡 / 作曲・小森昭宏 / 歌・とんねんぼう、ちんねんぼう、かんねんぼう^[15]

スタッフ

原作 - 飯沢匡
人形デザイン - 土方重巳
装置デザイン - 清水崑
音楽 - 小森昭宏

備考

和尚さんを演じた高見映は、1970年（昭和45年）4月8日から1990年（平成2年）3月6日までNHK教育テレビで放送された『できるかな』の前身、『なにしてあそぼう』に顔出し出演しており、本作が放送を開始した初年度のみ、総合テレビと教育テレビの子供向け番組を掛け持ちしていた^{[注釈 2]}。この掛け持ちと本作の早期終了の因果関係は不明。
飯沢匡が原作の歴代人形劇で、『ブーフーウー』などのように「ぬいぐるみ」が、次々作『うごけぼくのえ』のように「子供達が描いた絵」が動き出すといった、ファンタジー要素を取り入れていない最初で最後の作品となった。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

^ 第8作『にこにこ、ぷん』の「ぽろり」は名字に漢字が入っている^[7]。第9作『ドレミファ・どーなっつ!』については出典6 に「そらお」と書かれているが、これは誤表記である^[8]。
^ 『できるかな』が放送を開始した初年度は『なにしてあそぼう』の終了ということもあり、高見は一時降板後、1971年（昭和46年）に復帰している^[16]。

出典

^ おかあさんといっしょ - NHKクロニクル
^ おかあさんといっしょ - NHKクロニクル
^ ^a ^b 「幼稚園･保育所の部」『放送教育』第25巻第9号、日本放送教育協会、1970年12月1日、82頁、NDLJP:2341316/42。
^ “懐かしい!!「おかあさんといっしょ」の歴代人形劇ママ・パパが見ていたのはどれ?”. すくコム. NHKエデュケーショナル (2016年1月28日). 2023年8月12日閲覧。
^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室編『NHK年鑑'70』日本放送出版協会、1970年9月20日、190頁。NDLJP:2525970/127。
^ “Eテレ「おかあさんといっしょ」歴代の人形劇キャラクターまとめ”. STUNNER編集部. グリーン・プロモーション合同会社 (2022年3月21日). 2023年8月12日閲覧。
^ “おかあさんといっしょ「にこにこ、ぷん」”. NHKアーカイブス. NHK. 2023年8月12日閲覧。
^ “おかあさんといっしょ「ドレミファ・どーなっつ!」”. NHKアーカイブス. NHK. 2023年8月12日閲覧。
^ “NHKおかあさんといっしょの歴代キャラクター一挙公開!豪華声優陣も♡”. mamagirl. Donuts (2020年8月22日). 2023年8月12日閲覧。
^ “「おかあさんといっしょ」新人形劇に中尾隆聖、平原綾香、四宮豪が出演”. アニメハック. エイガ・ドット・コム (2022年4月18日). 2023年8月12日閲覧。
^ 高橋浩一郎「NHK幼児向けテレビ番組の変遷―『おかあさんといっしょ』から広がった在宅向け幼児番組―」『NHK放送文化研究所年報2020 第64集』、NHK出版、2020年1月30日、216頁。
^ ^a ^b ^c “おかあさんといっしょとんちんこぼうず（お母さんといっしょ）”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2023年8月12日閲覧。
^ ^a ^b ^c “おかあさんといっしょとんちんこぼうず”. NHKアーカイブス. 日本放送協会. 2023年8月12日閲覧。
^ “とんちんこぼうず”. 楽曲検索. ソングブックカフェ. 2023年4月9日閲覧。
^ “NHKおかあさんといっしょ 50年うたのBEST100”. Hoick. ソングブックカフェ. 2023年4月22日閲覧。
^ “できるかな”. NHKアーカイブス. 日本放送協会. 2023年5月17日閲覧。

外部リンク

おかあさんといっしょとんちんこぼうず - NHK放送史


NHK総合テレビおかあさんといっしょ内人形劇
前番組	番組名	次番組
ダットくん（1967年4月3日 - 1969年9月30日）	とんちんこぼうず（1969年10月6日 - 1971年3月29日）	とんでけブッチー（1971年4月5日 - 1974年3月25日）

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[9] 第8作『にこにこ、ぷん』の「ぽろり」は名字に漢字が入っている^[7]。第9作『ドレミファ・どーなっつ!』については出典6 に「そらお」と書かれているが、これは誤表記である^[8]。

[18] 『できるかな』が放送を開始した初年度は『なにしてあそぼう』の終了ということもあり、高見は一時降板後、1971年（昭和46年）に復帰している^[16]。

[1] おかあさんといっしょ - NHKクロニクル

[2] おかあさんといっしょ - NHKクロニクル

[nhkk197012-3] 「幼稚園･保育所の部」『放送教育』第25巻第9号、日本放送教育協会、1970年12月1日、82頁、NDLJP:2341316/42。

[4] “懐かしい!!「おかあさんといっしょ」の歴代人形劇ママ・パパが見ていたのはどれ?”. すくコム. NHKエデュケーショナル (2016年1月28日). 2023年8月12日閲覧。

[5] 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室編『NHK年鑑'70』日本放送出版協会、1970年9月20日、190頁。NDLJP:2525970/127。

[6] “Eテレ「おかあさんといっしょ」歴代の人形劇キャラクターまとめ”. STUNNER編集部. グリーン・プロモーション合同会社 (2022年3月21日). 2023年8月12日閲覧。

[7] “おかあさんといっしょ「にこにこ、ぷん」”. NHKアーカイブス. NHK. 2023年8月12日閲覧。

[8] “おかあさんといっしょ「ドレミファ・どーなっつ!」”. NHKアーカイブス. NHK. 2023年8月12日閲覧。

[10] “NHKおかあさんといっしょの歴代キャラクター一挙公開!豪華声優陣も♡”. mamagirl. Donuts (2020年8月22日). 2023年8月12日閲覧。

[11] “「おかあさんといっしょ」新人形劇に中尾隆聖、平原綾香、四宮豪が出演”. アニメハック. エイガ・ドット・コム (2022年4月18日). 2023年8月12日閲覧。

[12] 高橋浩一郎「NHK幼児向けテレビ番組の変遷―『おかあさんといっしょ』から広がった在宅向け幼児番組―」『NHK放送文化研究所年報2020 第64集』、NHK出版、2020年1月30日、216頁。

[こぼうず-13] “おかあさんといっしょとんちんこぼうず（お母さんといっしょ）”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2023年8月12日閲覧。

[とんちん-14] “おかあさんといっしょとんちんこぼうず”. NHKアーカイブス. 日本放送協会. 2023年8月12日閲覧。

[15] “とんちんこぼうず”. 楽曲検索. ソングブックカフェ. 2023年4月9日閲覧。

[16] “NHKおかあさんといっしょ 50年うたのBEST100”. Hoick. ソングブックカフェ. 2023年4月22日閲覧。

[17] “できるかな”. NHKアーカイブス. 日本放送協会. 2023年5月17日閲覧。

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