サビキン目(さびきんもく、PuccinialesまたはUredinales)は担子菌門の1つで、サビキン(錆菌、銹菌)と総称される。(Kirk et al. 2008)によると、全世界で14科166属に分類され7700以上の種が知られており、うち日本においては約800種が知られている[1]

植物寄生する絶対寄生菌で、赤・黒などに着色したさびのように見える無性胞子(さび胞子)を作ることから、これらによる多くの病害はさび病と呼ばれ、農業林業において重大な病害を含む。リンゴナシなどに寄生する一部のものは特徴的な病斑から赤星病、また樹木に多数の枝葉を叢生させるものは天狗巣病といった別の名で呼ばれる。ただし卵菌による白さび病など、他の菌によるもので「さび病」と呼ばれるものもある。

複雑な生活環を有し、胞子としては「さび胞子」「担子胞子」のほか、種類によって「精子」「夏胞子」「冬胞子」と呼ばれる胞子を作り、またそれぞれの世代が異なる植物に感染・増殖するもの(異種寄生性)も多い。

関連項目

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参考文献

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  • Kirk, Paul M.; Cannon, P; Minter, D et al., eds (2008) (英語). Ainsworth & Bisby's dictionary of the fungi (10th ed.). CAB International. doi:10.1079/9780851998268.0000. ISBN 978-1-84593-933-5 
  • 山岡裕一、2019、「植物防疫講座 病害編(14) さび病菌の生態と防除」、『植物防疫』73巻2号、NAID 40021795173 p. 44

出典

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  1. ^ 山岡 2019.
  2. ^ Internet archaeology: the definitive, end-all source for why Rust is named "Rust"”. 2023年2月15日閲覧。

外部リンク

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