こむぎいろの天使 すがれ追い
『こむぎいろの天使 すがれ追い』(こむぎいろのてんし すがれおい)は、1999年に公開された日本映画(郷土映画)である。コンセプトは「信州伊那谷発<ふるさとシネマ>」。
監督である後藤俊夫の地元・伊那谷に伝わる伝統猟法「すがれ追い[1]」を題材に、少年たちが友情を深めてゆく物語。
ハチの撮影にあたり、世界最大の蜂の巣[2]を製作した上伊那郡中川村在住の富永朝和の指導を受けている。
第11回インド国際児童映画祭シルバーエレファント賞受賞作。
あらすじ
編集小学5年生の健一はぜんそく療養のため、東京から伊那谷へとやってきた。新しい小学校で、クラス一の元気者のサブやマサル、ブラジル生まれの少女カレンらと出会う。
カレンの祖父・熊太郎はすがれ追い名人としてその名を知られた男。ある日、熊太郎はいつものようにすがれを追っている途中で、目印のすがれを見失ってしまう。熊太郎が見失ったすがれを見つけたサブたちは、その後を追い、まんまと巣を手に入れる。さっそく採りたての蜂の子を食べるサブたちだが、初めての健一はどうしても食べることができない。
そんなある日、健一は捨てられた老犬と出会う。カメオと名をつけ、世話をする健一たち。やがてカメオはすっかり元気になり、秋に行われたマツタケ狩大会では名人を抜いて優勝、マツタケ犬として名を馳せるまでになる。
やがて、思ったよりも早く健康を取り戻した健一に、東京へと帰る日がやってくる。女王蜂が巣立ちを迎えた季節に、健一とサブにも別れのときがやってきた。
スタッフ
編集製作スタッフ
編集- 監督:後藤俊夫
- 助監督:根本保夫
- 原作:後藤俊夫(汐文社 刊)
- 脚本:後藤俊夫、加藤盟
- 脚本協力:橘祐典、吉田憲二
- 製作:岡村光雄、小室皓充
- プロデューサー:桑山和之
- 音楽:大島ミチル
- 音楽製作:日本コロムビア
- 撮影:山崎堯也
- 照明:岩崎定雄
- 美術:遠藤光男
- 録音:本田孜
- 編集:鍋島惇
- ハチ指導:富永朝和
- 製作:「こむぎいろの天使」製作委員会、
- 株式会社プロデュースセンター、後藤プロダクション、こむぎいろの天使を成功させる一念発起100人会
- 公開:1999年
- 上映時間:95分
- カラー
主演
編集- 子役
- サブ:松澤邦典
- 健一:吉瀬丈二
- カレン:宮城カレン
- マサル:林大地
- 大人役
主題歌
編集関連商品
編集- 単行本「こむぎいろの天使 すがれ追い」
- 著者:後藤俊夫、福田岩緒 出版:汐文社
- 1997年、ISBN 481130330X
- CD「映画 こむぎいろの天使」〜オリジナル・サウンド・トラック盤〜
- 発売元:日本コロムビア株式会社
- 1999年5月21日、COCX-30410
- VHS「こむぎいろの天使 すがれ追い」
- 発売:株式会社プロデュースセンター
- 1999年、JASRAC:第011135
脚注
編集- ^ すがれ追い とは、地蜂であるすがれに目印をつけた餌を持たせてその後を追い、見つけた巣を土中から採取するというものである。流通の乏しかった山岳地域では、巣から採れる蜂の子は貴重な蛋白源として重宝されていた。
- ^ 制作当時、世界最大。(中川村宿泊施設「望岳荘」 ハチ博物館)
関連項目
編集- こむぎいろの天使 雀と少年(同監督、78年の映画作品)
- クロスズメバチ