こまっちゃうナ

1966年の山本リンダのシングル曲

こまっちゃうナ」は、日本歌手山本リンダの楽曲で、デビューシングルである。1966年9月20日に発売された。発売元はミノルフォン規格品番:KA-80。タイトルの正確な表記では「ナ」は小書きである(「こまっちゃう」)。

「こまっちゃう
山本リンダシングル
初出アルバム『こまっちゃう リンダのヒット・メロディー』
A面 こまっちゃう
B面 海と山の歌
リリース
規格 7インチシングル盤
ジャンル 歌謡曲
レーベル ミノルフォン
作詞・作曲 遠藤実
山本リンダ シングル 年表
こまっちゃう
1966年
夢見るわたし
1966年
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解説

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累計売上は70万枚を突破[1]、または100万枚[2][3]

1967年発売のアルバム『こまっちゃうナ リンダのヒット・メロディー』(ミノルフォン/規格品番:KC-4)に収録されている。同年の『第18回NHK紅白歌合戦』で紅白初出場を果たし、同曲を歌唱した。当時は舌っ足らずな口調を売りにした、いわゆる「可愛い子ちゃん歌手」であった[4]

作曲家遠藤実の名を冠した「ミノルフォンレコード」が発足するも、作曲家の遠藤実は会社経営のノウハウも知らぬままだったため、ヒット曲が出なくなり、また看板歌手が一人もいなかったため、毎日「困った」が続いていた。[5]

作詞作曲編曲をした遠藤実が最初に山本に会った際、「君はボーイフレンドはいるの?」と質問したところ、「そんなのリンダ、困っちゃうな」と返答したのがヒントになったという。[4][5]その「こまっちゃうナ」は当時の遠藤実の心境そのものでもあった。[5]

1965年の設立以来、なかなかヒットの生まれなかったミノルフォンにとっては三船和子の「他人船」(1965年発売)に続くヒット曲で、設立2年目にして初めての大ヒット曲でもある[6]。『第18回NHK紅白歌合戦』で山本はピンクミニスカート姿で本作を歌唱した[4]。演歌の作曲家の遠藤実があんなモダンな曲がかけるはずがない、会社の営業不振で無名のポップス系作曲家に書かせ、遠藤が買い取ったのでないかといううわさもあったという[5]

2018年2019年に放送された立石晴香出演の日本デルモンテ「デルモンテ リコピンリッチ」CMで、チャラン・ポ・ランタンが「こまっちゃうナ」の替え歌を歌った[7][8]

2023年には、遠藤実歌謡音楽振興財団の新レーベル「Minoru Endo Music Foundation」の第1弾として、音莉飴がエレクトリックなリミックス曲に仕上げた「こまっちゃうナ2023」を配信リリースした[9]

収録曲

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  1. こまっちゃうナ(3分00秒)
  2. 海と山の歌(2分24秒)

カバー

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  • MATZ & Ninni(芦田菜名子) feat. 金子みゆこまっちゃうな」(2024年8月21日、STARBASE Records)

脚注

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  1. ^ 『精選盤 昭和の流行歌 歌詞集』日本音楽教育センター、173頁。
  2. ^ 変わらないパフォーマンスでファンを魅了! 山本リンダの軌跡をたどる、毎日新聞、2017年12月22日。
  3. ^ 山本リンダ - TOWER RECORDS ONLINE - 2021年2月15日閲覧。
  4. ^ a b c 山本リンダ ミノルフォン・イヤーズ』・ブックレットより
  5. ^ a b c d 長田暁二『昭和歌謡 流行歌からみえてくる昭和の世相』敬文舎、2017年、139頁。ISBN 978-4-906822-76-8
  6. ^ 遠藤実『涙の川を渉るとき 遠藤実自伝』日本経済新聞出版社、2007年、180-181頁。ISBN 978-4-532-16584-0
  7. ^ 「デルモンテ リコピンリッチ トマト飲料」のCMソングは?、CDジャーナル、2018年4月13日。
  8. ^ 【立石晴香出演】「デルモンテ リコピンリッチ トマト飲料」CM「キレイ」篇 15秒【キッコーマン公式】 - YouTube
  9. ^ 遠藤実歌謡音楽振興財団の新レーベル始動、第1弾作品は音莉飴「こまっちゃうナ 2023」”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2023年5月17日). 2023年5月28日閲覧。

関連項目

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