おしどり (伝説)

日本の各地に伝わるオシドリの伝説。また、それを原型とする小泉八雲の短編小説

おしどり』(Oshidori)は、日本の各地に伝わるオシドリの伝説。また、それを原型として書かれた小泉八雲の短編小説。短編集「怪談」に収録されている[1]

あらすじ

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ある時、主人公が赤沼[注 1]でおしどりを見つけ、これを狩る。するとその夜、夢の中で美女が現れて「なぜ夫を殺したのか」と泣きながら主人公を責める。

翌日、主人公がおしどりを狩った場所に行ってみると、雌のおしどりが主人公に向かって近づいてきて、目の前で自分の体を引き裂いて死んでしまう[注 2]。主人公は出家して僧になる。

原典

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同様の伝説が日本の各地に伝わる[1]他、今昔物語集にも同様の話がみられる。

小泉八雲の「怪談」に収録されたものは陸奥国田村の郷という地名が書いてあることから、福島県郡山市中田町赤沼[2][注 3]、あるいは秋田県横手市大雄赤沼に伝わるもののいずれかが原型と思われる。

無住の「沙石集」に収録されたものは下野国アソ沼という地名があり、栃木県宇都宮市の求喰沼(あさりぬま)または同県佐野市の安蘇沼(あそぬま)に比定する[3]。ただしアソ沼を求喰沼と解釈するには無理があることから、宇都宮説を郷土史家は否定的に見ている[3][4]

その他、千葉県八千代市[5]富里市[6]長野県伊那市などにもほぼ同様の話が伝わる。

塚などが残る場所

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おしどり塚(栃木県宇都宮市)

伝説を題材とした作品

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脚注

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注釈

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  1. ^ 地名を阿蘇などとする地域もあり
  2. ^ 雌が雄の首を抱えて死んでいた、雌が雄とくちばしを合わせ死んでいたと伝わる地域もあり
  3. ^ かつては田村郡に所属

脚注

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  1. ^ a b 沙石集”. とちぎのふるさと学習. 栃木県教育委員会. 2021年4月11日閲覧。
  2. ^ 赤沼のおしどり”. 福島県教育委員会. 2020年3月28日閲覧。
  3. ^ a b c 塙 2008, p. 51.
  4. ^ 柏村祐司 (2019年6月). “「おしどり塚」異聞”. 天地人 2019年6月号. 宇都宮商工会議所. 2021年4月11日閲覧。
  5. ^ 岡崎柾男『謎のなんじゃもんじゃ 千葉の民話』げんごろう、1996年。ISBN 4-906426-11-5 
  6. ^ 地名に見る富里の歴史(第8回 中沢編2)”. 富里市役所教育部生涯学習課 (2013年1月4日). 2021年9月20日閲覧。
  7. ^ 佐野駅前広場 噴水”. さの百景. 秋栄堂印刷. 2021年4月11日閲覧。
  8. ^ a b c d おしどり塚”. マンガ日本昔ばなし〜データベース〜 (2012年2月1日). 2021年4月11日閲覧。
  9. ^ テレビ民話語り”. とちテレ番組案内. とちぎテレビ. 2021年4月11日閲覧。
  10. ^ 民話や伝説でたどる「宇都宮の千年」”. 天地人 2012年6月号. 宇都宮商工会議所 (2012年6月). 2021年4月11日閲覧。

参考文献

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関連項目

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