市川エフエム放送株式会社(いちかわエフエムほうそう)は、かつて千葉県市川市の一部地域を放送区域として超短波放送(FM放送)を行なっていた特定地上基幹放送事業者である。 いちかわエフエムの愛称でコミュニティ放送を行なっていた。

市川エフエム放送株式会社
ICHIKAWA-FM Broadcsating Corp
愛称 いちかわエフエム
コールサイン JOZZ3AZ-FM
周波数/送信出力 83.0 MHz/20 W
本社・所在地
272-8583
千葉県市川市八幡2-15-10
パティオ7F
設立日 1997年3月27日
開局日 1998年9月20日
廃局日 2017年6月
送信所 千葉県市川市八幡3-5-1
キャピタルタワー屋上
中継局 なし
放送区域 市川市の一部

概要

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1998年(平成10年)に開局した。周波数の「83.0」にちなみ8月30日に開局する予定だったが、都合により9月20日10時に開局した。市川市では1995年(平成7年)、市川市民まつりにおいてイベント放送局「市川市民まつりFM」(呼出符号JOBZ-FM、周波数76.2MHz)が開局した。これを契機としてコミュニティ放送局開局に至った。

2016年(平成28年)11月30日23時17分に放送休止[1]し、同日付けで関東総合通信局に放送休止届を提出した。翌12月1日に自己破産千葉地方裁判所に申請し受理される。赤字経営が続き業績改善ができなかったもので[2]、12月5日に破産手続きの開始が決定された[3]

放送休止後、社員や出演者のインターネットによる情報発信が続いた。

2017年(平成29年)6月には、特定地上基幹放送局が廃止された[4]。 その後、浦安市エフエム浦安が放送機材を取得し、本社・演奏所(スタジオ)・送信所を移転して、7月14日に放送を開始した[5]電波法令上は、エフエム浦安の特定地上基幹放送局の設置場所、周波数、空中線電力の変更[6]であり、事業譲渡や法人の合併による免許人の地位承継[7]ではない。すなわち市川エフエム放送の事業を引き継いだものではなく、番組も継続されたものはない。

演奏所・送信所

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  • 本社、スタジオ - 市川市八幡二丁目15番10号 パティオ7階。第一スタジオと第二スタジオを放送に使用していた。
    • 後に河合塾マナビス市川校の教室となった。
  • 送信所 - 市川市八幡3-5-1キャピタルタワー屋上
  • 予備送信所 - パティオ屋上

サービスエリア

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「FMアンテナやカーステレオで受信できる千葉県市川市広域圏で居住人口は約200万人で、市川市はもとより、松戸市鎌ケ谷市船橋市など市川市近郊の地域でも受信できます。」と称していた。ジェイコム市川(旧・JCN市川)84.4MHz、USEN I-1chでも再送信していた[8]

  • 隣接する東京都区部、千葉県北西部でも受信できた。東京湾沿岸部の千葉県千葉市市原市木更津市神奈川県川崎市横浜市横須賀市では、スポット的に受信できる場所もあった。
  • 船橋市三山送信所周辺では、NHK-FM千葉(80.7MHz、5kW)とbayfm(78.0MHz、5kW)の影響を受けて、受信しづらい地域があった。
  • 開局当初は空中線電力、標高ともに低かったため、市川市内でも一部地域ではNHK-FM水戸(83.2MHz、1kW)との混信が避けられなかったが、送信所移転により受信状態が改善された。
  • コミュニティ放送局の中では数少ない垂直偏波で発射していた。垂直偏波はアンテナを地面に対して垂直(縦方向)にすることで、受信状況が改善する場合がある。

出資者・スポンサー

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沿革

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  • 1997年(平成9年)3月27日 - 市川エフエム放送株式会社設立
  • 1998年(平成10年)
    • 9月17日 - 放送局(現在の特定地上基幹放送局)の免許取得、空中線電力10W[11]
    • 9月20日 - 開局
  • 1999年(平成11年)7月14日 - 市川市と「災害時における緊急放送等に関する協定」を締結[12]
  • 2001年(平成13年)6月25日 - 空中線電力20Wへの増力許可[13]
  • 2004年(平成16年)1月26日 - 登録点検事業者(現・点検のみ行う登録検査等事業者等)として登録[14]
  • 2011年(平成23年)
  • 2015年(平成27年)7月8日 - 市川エフエム放送事件で、千葉地方裁判所が安全配慮義務違反があったとして損害賠償約3千万円の支払いを命じる判決
  • 2016年(平成28年)
  • 2017年(平成29年)
    • 6月 - 特定地上基幹放送局廃止
    • 7月14日 - エフエム浦安が移転し放送を開始
    • 12月5日 - 清算結了[16]

放送内容

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  • 放送開始は月曜日から金曜日が8時45分、土曜日と日曜日は9時45分からだった。終了は曜日ごとに異なり、23時15分から27時までだった。
  • 番組が組まれていない早朝などはフィラー音楽やトレーニング番組を放送または機材調整を実施した。
  • 番組によっては既定の時間を超えて放送した。
  • ニュース・天気・広告そのほか一部の番組を除き、市民、学生、ボランティアグループのメンバーなどが放送ボランティアとして番組制作に協力した。
  • 全国ニュースは読売新聞社、ローカルニュースは市川よみうりから配信されているものを使用した。
  • 天気予報はおもに千葉県北西部の予報を放送した。
  • 時報は放送せず、早朝を除く毎正時前にステーションIDを放送した。
  • 職場体験を受け入れ、平日日中の番組内に地元小中学生が生出演することがあった。
  • 放送予定は読売新聞千葉版のテレビ欄に毎日掲載した。市川よみうりにも番組表を掲載していた。

主な番組

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2012年7月現在、番組を放送していない時間帯は音楽を放送した。

What's up Ichikawa!?

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平日11:00 - 13:00に放送していたワイド番組で、開局当初は朝から夕方まで様々なパーソナリティがリレー形式で繋げる長時間番組であった。

  • 水曜日(11:00 - 11:30)ハートフルミュージック
  • 水曜日(11:30 - 13:00)スズですよ!!
  • 木曜日(11:00 - 13:00)Chat Chat
  • 金曜日(11:00 - 12:00)アン・ドゥトロワ
  • 金曜日(12:00 - 13:00)MusicTree

夜もラジオぼーや

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コミュニティ放送では珍しい深夜ワイド番組。インターネットでも同時生放送。著作権の問題により、インターネットでは楽曲の部分以外を放送した。

  • 日曜日(23:00 - 2:00)中谷ゆうのYouといっしょにNightでないと!

読売新聞ニュース・天気予報・地域情報

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  • 平日 8:45 10:45 13:45 17:45 23:00
  • 土日 9:45 12:45 15:45 18:45 23:00

その他平日の番組

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  • 月曜日
    • お話聞く人この指とまれ(月 15:00 - 15:15)
    • ムーンライトスキップ(月 20:00 - 21:00)
    • Future Listening(月 21:00 - 22:00)
    • オーボンビュータン~思い出の時(月 22:00 - 23:00)
  • 火曜日
    • いくじネット通信(火 10:15 - 10:45)
    • つれづれ小町(火 12:00 - 13:00)
    • ゆうみりおんないと(火 21:30 - 23:00)
    • This is pop!(火 21:30 - 23:00)
  • 水曜日
    • からふるステーション(水 20:00 - 20:30)
    • ターゲットU☆(水 21:00 - 22:00)
    • センチメンタルエステ(水 22:00 - 23:00)
  • 木曜日
    • ゆるラヂヲ(木 20:00 - 21:00)
    • Rock'em All(木 21:00 - 22:00)
    • 四丁目のプログレ(水 22:00 - 23:00)
  • 金曜日
    • L'APRES MIDI(金 14:00 - 15:00)
    • Acoustic Cafe(金 15:00 - 16:00)
    • 千葉商科大学放送研究会College Station(金 19:00 - 19:45)
    • きままなお部屋(金 21:00 - 23:00)

その他土曜日の番組

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  • Music Dipper(土 12:00 - 14:00)
  • 和洋女子大学放送研究会 シータイム(土 20:00 - 21:00)
  • Channel[A]sia(土 20:00 - 21:00)
  • 音のコリドー(土 21:00 - 22:00)
  • ひとりごとでなるほど(土 22:00 - 23:00)

その他日曜日の番組

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  • 朗読の時間(日 10:00 - 10:15)
  • 真昼の給湯室(日 14:00 - 15:00)
  • こんにちは、まかろんです。(日 21:00 - 22:00)
  • Alt-Radio(日 22:00 - 23:00)

ラジオぼーや

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マスコットキャラクター[17]。携帯用ストラップ、ステッカーのグッズがあった。

廃止後

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2018年(平成30年)3月23日、市川エフエム放送事件の遺族が、実質的な経営者だった男性取締役が安全配慮義務を欠いたとして取締役個人の責任を追及する提訴をした[18]

脚注

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  1. ^ いちかわFM 放送休止について ジェイコム市川
  2. ^ 市川エフエムが自己破産申請 読売新聞千葉版 2016年12月3日
  3. ^ 市川エフエム放送(株)(千葉)/破産手続き開始決定 JC-NET 2016年12月15日
  4. ^ 関東総合通信局のラジオ放送事業者一覧のラジオ放送事業者一覧(関東総合通信局)(2017年6月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Projectとラジオ放送事業者一覧(関東総合通信局)(2017年7月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Projectの比較によりコミュニティ放送から削除された。つまり特定地上基幹放送局が廃止されたことがわかる。
  5. ^ 市川うららFMが誕生しました! エフエム浦安
  6. ^ 呼出符号JOZZ3AY-FMの変更なし
  7. ^ 電波法第20条第3項および第5項参照
  8. ^ いちかわエフエムとは(いちかわエフエム) - ウェイバックマシン(2014年2月19日アーカイブ分)
  9. ^ 会社概要(いちかわエフエム) - ウェイバックマシン(2016年10月28日アーカイブ分)
  10. ^ コミュニティ放送事業者 平成28年9月1日現在(総務省電波利用ホームページ - マスメディア集中排除原則について)(2018年6月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  11. ^ 市川コミュニティ放送局に免許(関東電気通信監理局 報道資料 平成10年9月17日) - ウェイバックマシン(1999年8月24日アーカイブ分)
  12. ^ 会議録(2008年12月 第5日目 2008年12月9日) 市川市議会
  13. ^ コミュニティ放送局の増力許可(関東総合通信局 報道資料 平成13年6月25日) - ウェイバックマシン(2003年1月7日アーカイブ分)
  14. ^ 登録検査等事業者等情報 平成28年12月2日現在(総務省電波利用ホームページ - 登録検査等事業者等リスト検索) - ウェイバックマシン
  15. ^ 「たかはぎ災害FM」開局 市民に安心安全発信 茨城新聞 2011年6月9日
  16. ^ 市川エフエム放送株式会社の情報 法人番号公表サイト
  17. ^ ラジオぼーや 市川市発の「ゆるきゃら」?(いちかわエフエム) - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)
  18. ^ 「たった1人の弟の命が失われた」自殺したラジオ局員の遺族、当時の経営者個人を提訴(弁護士ドットコムNEWS 2018年3月23日) - ウェイバックマシン(2018年6月16日アーカイブ分)

関連項目

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外部リンク

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