山形鉄道フラワー長井線

山形県南陽市から西置賜郡白鷹町に至る山形鉄道が運営する鉄道路線
JR長井線から転送)

フラワー長井線(フラワーながいせん)は、山形県南陽市赤湯駅から西置賜郡白鷹町荒砥駅に至る山形鉄道が運営する鉄道路線。旧特定地方交通線東日本旅客鉄道(JR東日本)長井線を引き継いだ路線である。名称の「フラワー長井線」は、沿線に花の名所が多いことからきている。

フラワー長井線
フラワー長井線で運用されているYR-880形 YR-888 スウィングガールズ塗装車両
フラワー長井線で運用されているYR-880形
YR-888 スウィングガールズ塗装車両
基本情報
日本の旗 日本
所在地 山形県
起点 赤湯駅
終点 荒砥駅
駅数 17駅
開業 1913年10月26日
三セク転換 1988年10月25日
所有者 山形鉄道
運営者 山形鉄道
使用車両 山形鉄道#車両を参照
路線諸元
路線距離 30.5 km
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 全線単線
電化方式 全線非電化
閉塞方式 自動閉塞式(特殊)
最高速度 85 km/h[1]
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路線データ

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運行形態

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停車場・施設・接続路線
JR東山形新幹線
 
 
 
 
JR東:奥羽本線山形線
 
 
 
 
0.0 赤湯駅
 
0.9 南陽市役所駅
 
3.0 宮内駅
 
4.4 おりはた駅
 
6.8 梨郷駅
 
松川橋梁 最上川
 
10.3 西大塚駅
   
JR東:米坂線
 
12.2 今泉駅
 
白川橋梁 白川
 
白川信号場 -1984
   
JR東:米坂線
 
14.9 時庭駅
 
17.3 南長井駅
 
18.3 長井駅
 
19.1 あやめ公園駅
 
野川橋梁 野川
 
21.0 羽前成田駅
 
23.2 白兎駅
 
24.6 蚕桑駅
 
27.9 鮎貝駅
 
28.6 四季の郷駅
 
最上川橋梁 最上川
 
30.5 荒砥駅

ワンマン運転(朝、夕、多客時は車掌同乗)の各駅停車が線内折り返し運転され、1 - 2時間に1本運行されている。ワンマン運転時は複数車両連結の運転であっても、乗車可能なのは進行方向側の先頭車両のみ。赤湯 - 荒砥間の所要時間は約1時間である。

今泉駅でJR米坂線、赤湯駅でJR山形線山形新幹線との接続をそれぞれ図っている。米坂線小国・坂町方面と山形線山形・新庄方面の連絡は米沢接続に比べ、当線の今泉 - 赤湯間を通る方は運賃が安い上[注釈 1]、接続がいい場合も多くある[注釈 2]

利用状況

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輸送実績

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フラワー長井線の近年の輸送実績を下表に記す。表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度別輸送実績
年度 輸送実績(乗車人員):万人/年度 輸送密度
人/1日
特記事項
通勤定期 通学定期 定期外 合計
1988年(昭和63年)            
1989年(平成元年)       143.1    
1990年(平成2年)       144.3    
1991年(平成3年)       137.8    
1992年(平成4年)       137.1    
1993年(平成5年)       132.0    
1994年(平成6年)       137.4    
1995年(平成7年)       130.7    
1996年(平成8年)       132.1    
1997年(平成9年)       117.3    
1998年(平成10年)       114.1    
1999年(平成11年)       106.9    
2000年(平成12年)       99.5    
2001年(平成13年)       93.1    
2002年(平成14年)       91.7    
2003年(平成15年)            
2004年(平成16年)            
2005年(平成17年)       81.5    
2006年(平成18年)       77.4    
2007年(平成19年)       76.0    
2008年(平成20年)            
2009年(平成21年) 1.7 53.8 16.7 72.2 660  
2010年(平成22年) 1.7 51.9 20.4 74.0 671  
2011年(平成23年)            
2012年(平成24年) 2.1 50.6 17.9 70.5 641  
2013年(平成25年) 2.6 44.9 16.6 64.1 581  
2014年(平成26年) 2.6 42.3 16.6 61.5 555  
2015年(平成27年) 2.6 42.6 14.5 59.7 540  
2016年(平成28年) 2.5 42.5 13.6 58.6 533  
2017年(平成29年) 2.0 42.2 13.8 58.0 513  
2018年(平成30年) 2.5 41.8 13.5 57.8 526  
2019年(令和元年) 2.4 38.0 12.6 53.0 403  
2020年(令和2年) 2.3 27.5 7.1 36.9 345  

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

収入実績

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フラワー長井線の近年の収入実績を下表に記す。表中、収入の単位は千円。数値は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度別収入実績
年  度 営業収益:千円/年度 営業経費
千円/年度
営業損益
千円/年度
営業
係数
旅客運賃収入:千円/年度 運輸雑収
千円/年度
総合計
千円/年度
通勤定期 通学定期 定 期 外 合  計
1988年(昭和63年)                  
1989年(平成元年)                  
1990年(平成2年)                  
1991年(平成3年)                  
1992年(平成4年)                  
1993年(平成5年)                  
1994年(平成6年)                  
1995年(平成7年)                  
1996年(平成8年)                  
1997年(平成9年)                  
1998年(平成10年)                  
1999年(平成11年)                  
2000年(平成12年)                  
2001年(平成13年)                  
2002年(平成14年)       196,171 3,933 200,104 336,106 △136,001 167.9
2003年(平成15年)       181,239 3,649 184,888 282,292 △97,403 152.7
2004年(平成16年)       198,102 4,279 202,382 266,308 △63,925 131.6
2005年(平成17年)       182,747 3,576 186,324 268,993 △82,668 144.4
2006年(平成18年)       174,771 3,831 178,603 264,616 △86,013 148.2
2007年(平成19年)                  
2008年(平成20年)           184,976 291,120 △106,144 157.4
2009年(平成21年) 3,391 100,458 62,158 166,007 14,585 180,592 292,535 △111,943 162.0
2010年(平成22年)       181,073 25,878 206,951 334,756 △127,805 161.8

鉄道統計年報(国土交通省鉄道局監修)より抜粋

使用車両

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過去の使用車両

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国鉄・JR時代は以下の車両が使用された。

蒸気機関車
気動車


うさぎ駅長「もっちぃ」と「もっちぃ列車」

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2010年8月、白ウサギの「もっちぃ」が宮内駅の駅長に就任した。2羽のウサギ「ぴーたー」と「てん」が駅員である。また助役は亀の「カメ吉」が務める。「てん」は2016年12月13日[2]、「ぴーたー」は2017年4月11日[3]、「もっちぃ」は2023年6月20日に死亡した[4]

山形鉄道では、これらのキャラクターをあしらったラッピング列車「もっちぃ列車」を2016年まで運行していた[5]

同社ネットショップでは「もっちぃ駅長」のグッズが販売されている[6]

歴史

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置賜地方の交通改善のため、軽便鉄道法を準用して敷設された路線である。長井軽便線(ながいけいべんせん)として1913年に一部開業し、長井線と改称後の1922年に全通した。同年制定された改正鉄道敷設法には、荒砥から左沢線左沢に至る鉄道(別表第25号、左荒線)が計画されたが、実現しなかった。国鉄再建法施行により1986年に第3次特定地方交通線に指定され、1987年に日本国有鉄道(国鉄)からJR東日本に承継された後、1988年に山形鉄道に転換された。

駅一覧

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  • 全列車普通列車、すべての駅に停車
  • 全駅山形県に所在
  • *印は転換時(後)に設置された駅
  • 線路…◇:列車交換可能、|:列車交換不可
駅名 営業キロ 接続路線・備考 線路 所在地
駅間 累計
赤湯駅 - 0.0 東日本旅客鉄道:山形新幹線奥羽本線山形線 南陽市
南陽市役所駅* 0.9 0.9  
宮内駅 2.1 3.0  
おりはた駅 1.4 4.4  
梨郷駅 2.4 6.8  
西大塚駅 3.5 10.3   東置賜郡
川西町
今泉駅 1.9 12.2 東日本旅客鉄道:米坂線 長井市
時庭駅 2.7 14.9  
南長井駅 2.4 17.3  
長井駅 1.0 18.3 (山形鉄道本社所在駅)
あやめ公園駅* 0.8 19.1  
羽前成田駅 1.9 21.0  
白兎駅* 2.2 23.2  
蚕桑駅 1.4 24.6   西置賜郡
白鷹町
鮎貝駅 3.3 27.9  
四季の郷駅* 0.7 28.6  
荒砥駅 1.9 30.5 車両基地所在駅)

脚注

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注釈

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  1. ^ 山形鉄道の前後のJR線のキロ程を通算して運賃を算出できる通過連絡運輸は2017年に廃止されたが、赤湯 - 米沢 - 今泉間はJR米坂線の方が大回り(米坂線が39.0km、長井線が12.2km)のため、JR線の運賃は通算できなくても安くなる場合が多い。
  2. ^ 実際に、今泉・坂町方面と山形方面相互間の連絡は半分以上、長井線経由の方が後発/先着できたり、発着時間は同じだが乗り換えに余裕があったりする(2017年4月時点・定期列車のみ)。

出典

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  1. ^ a b 寺田裕一『日本のローカル私鉄 (2000)』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ “<フラワー長井線>ウサギ駅員「てん」天国へ”. 河北新報ONLINE NEWS (河北新報社). (2016年12月16日). オリジナルの2017年3月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170330105657/http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201612/20161216_53014.html 2017年3月30日閲覧。 
  3. ^ “<フラワー長井線>ウサギ駅員「ぴーたー」天国へ”. 河北新報. (2017年4月12日). http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201704/20170412_53011.html 2017年4月29日閲覧。 
  4. ^ “ウサギ駅長「もっちぃ」が急死 生涯、山形鉄道を盛り上げ”. 毎日新聞. (2023年6月21日). https://mainichi.jp/articles/20230621/k00/00m/040/074000c 2023年6月21日閲覧。 
  5. ^ OFFICE-SANGA (2012年8月15日). “山形鉄道フラワー長井線・宮内駅の駅長もっちぃがヌード写真集発売!?”. マイナビニュース (マイナビ). http://news.mynavi.jp/articles/2012/08/15/ryokoyakagata/ 2017年3月30日閲覧。 
  6. ^ うさぎ駅長 もっちぃ”. フラワー長井線 ONLINE SHOP. 山形鉄道. 2024年2月19日閲覧。
  7. ^ 「鉄道省告示第109号」『官報』1922年9月2日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ “日本国有鉄道公示第166号”. 官報. (1982年11月13日) 
  9. ^ 鉄道ジャーナル』第21巻第1号、鉄道ジャーナル社、1987年1月、120頁。 
  10. ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車情報 89年版』ジェー・アール・アール、1989年8月1日、143頁。ISBN 4-88283-110-4 
  11. ^ a b 寺田裕一『ローカル私鉄 列車ダイヤ25年 東日本編』JTB、2004年、62-63頁。ISBN 978-4533054846 
  12. ^ a b c 『山形県の鉄道輸送』 - 山形県鉄道利用・整備強化促進期成同盟会 2012年3月
  13. ^ 交通新聞2008年10月22日
  14. ^ 台風第8号及び梅雨前線等による被害状況について(第7報) (PDF) - 国土交通省 災害情報、2014年7月10日 12:00現在
  15. ^ 山形で豪雨、鉄道を直撃 新幹線が一部運休 - 日本経済新聞、2014年7月10日
  16. ^ 浸水被害爪痕深く 南陽など13人避難続く - 読売新聞、2014年7月12日
  17. ^ フラワー長井線、全線開通は20日 工事順調に進み、2日早まる - 山形新聞、2014年7月17日
  18. ^ 北林慎也 (2015年7月4日). “走る列車がリング バトルロイヤル、車両破壊禁止 山形”. 朝日新聞. 2015年7月5日閲覧。
  19. ^ 技掛け豪快、列車プロレス 真剣勝負に観客熱狂”. 産経新聞 (2015年7月4日). 2015年7月4日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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