プラハ - コリーン線
プラハ - コリーン線(チェコ語;Železniční trať Praha–Kolín)は、チェコ国鉄の鉄道線の名称である。路線番号は011。
プラハ - コリーン線 | |
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基本情報 | |
起点 | プラハ・マサリコヴォ駅 |
終点 | コリーン駅 |
駅数 | 19駅 |
路線番号 | 011 |
開業 | 1845年9月 |
所有者 | チェコ鉄道 |
運営者 | 鉄道施設管理公団 |
路線諸元 | |
路線距離 | 62 km |
軌間 | 1435 mm(標準軌) |
電化方式 |
3000 V(直流) 架空電車線方式 |
最高速度 | 160 km/h |
歴史
編集1840年頃オーストリア帝国財務庁(Hofkammer)の総裁であったフォン・キューベク(Karl Freidrich von Kübeck, 1790~1855)はボヘミア地方の産業発展と軍事輸送の目的で国有鉄道の導入に努力した。1836年に法律家のリヒトナーがプラハ - ブリュン間の鉄道建設許可を受けたが、資金調達ができなかった。それでもその建設許可は皇帝フェルディナント北部鉄道(Kaiser-Ferdinants-Nordahn, KFNB)が同じ区間の建設許可を受けるのを防止した。その状況でロートシルトとメッテルニヒはヴォン・キューベクに鉄道運営を民間企業に任せるのを説得した。1841年12月にヴォン・キューベクの方案が認可されて、ヴォン・フランツェスコニ(Hermenegild von Francesconi, 1795~1862)が建設監督に任命された。1842年8月3日に北部帝国鉄道(k.k. Nördlische Staatbahn, NStB)のオルミュッツ - プラハ区間の建設工事が取り決まって、同年9月4日に開始された。
1845年9月1日にオルミュッツ - プラハ区間が開通されて、この路線はその区間の一部である。オルミュッツ駅では別の建物が設備されて、契約によりKFNBが路線運営を担当した。しかし車両限界などの問題で北部帝国鉄道は1850年5月1日に運営権を直接引き受けた。メッテルニヒの亡命とロートシルトの没落以降の状況をシナス男爵(Georgios Sinas, 1783~1856)が利用してフランス系クレジット・モビリエ銀行(Crédit mobilier)に援助を求めて、さらに財務大臣のヴォン・バウムガルトナー(Andreas von Baumgartner, 1793~1865)は皇帝に国営鉄道の売却を提案した。1854年10月22日にシナスはアルンシュタイン=エスケレス銀行などと共にコンソーシアムを組んで、「鉄道建設、鉱山、製鋼、国有地、林業に関する予備認可」を獲得した[1]。1855年1月にそのコンソーシアムが帝国特認オーストリア国有鉄道会社(k. k. privilegierte österreichische Staatseisenbahn-Gesellschaft, StEG)の名称でNStB路線の運営権を引き受けた[2]。
運行形態
編集快速「LEOエクスプレス・テンダーズ(LET)」
編集- LEOエクスプレス・オルリツェ号: リフコフ → ウースチー → プラハ 【平日運行】
- 平日のプラハ行のみ、片道1本の運行。コリーン以東は010号線に直通する。LEOエクスプレス・テンダーズ社によって運行される。
- 過去の運行状況
- 2019年末に運行を開始した。当時は平日1往復、金曜日1.5往復、土曜日2往復、日曜日2.5往復の運行であった。
- 2020年末に、平日・土曜1往復、日曜日2往復に減便された。
- 2021年末に、平日の片道1本のみの運行となった。
快速「スピェシニー(Sp)」
編集- ヴルフリツェ号: プラハ本駅 - コリーン - クトナーホラ 【平日運行】
- ヴルフリツェ号: プラハ本駅 - コリーン - クトナーホラ 【平日運行】
- チェスキー・ラーイ号: プラハ・マサリク駅 - ポルジーチャニ - トゥルノフ 【春・夏の休日運行】
- 春・夏の土曜日・休日に一日1往復の運行。ポルジーチャニ以北は060号線に直通する。上下ともブロドを通過する。
- 過去の運行状況
- 2017年以前は、プラハ方面行片道1本のみ、春・夏のみの運行であった。
- 2017年末に、一日1往復の運行となった(トゥルノフ方面行はヴルショヴィツェ始発)。
- 2018年末に、秋・冬の休日も運行する様になった。
- 2019年末に、プラハ・マサリク駅発着に変更された。
- 2020年末に、秋・冬の休日はプラハ行片道1本のみの運行となった。
- 2021年末に、秋・冬のプラハ行が運行休止となった。
- 過去の運行系統
- シェンベラ号: ニンブルク → ポルジーチャニ → プラハ・マサリク
- 2018年以前に運行していた。2018年度は、マサリク駅に乗り入れず、プラハ本駅経由でプラハ・スミーホフ駅に乗り入れていた
- シェンベラ号: ニンブルク → ポルジーチャニ → プラハ・マサリク
普通
編集30分間隔で運行し、半数がプラハ・マサリク~コリーン間、残り半数がプラハ・マサリク~チェスキー・ブロド間の運行となっている。また、平日の朝と夕方を中心に、171号線と直通する、ベロウン・ルジェヴニツェ~プラハ本駅~チェスキー・ブロドの運転系統もある(2015年以前はウーヴァリ止まりであった)。
臨時列車
編集- チェスキー・ライ号(快速)
- ポサーザフスケー・リンキ号(快速)
駅一覧
編集以下では、チェコ国鉄011号線の駅と営業キロ、停車列車、接続路線などを一覧表で示す。コリーン~プラハ間については、特急停車駅のみ掲載。
- 種別
- IC、ECなど超特急については省略。010号線を参照。
- R:特急
- LET:快速「LEoエクスプレス・テンダーズ」
- Sp:快速
- Os:普通
- 停車駅
- ■印:全列車停車
- ●印:一部通過
- |印:全列車通過
コリーン~プラハ・マサリク間
編集路線名 | 駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | R | LET | Sp | Os | 接続路線 | 所在地 | ||
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011 | コリーン駅 | - | ウィーンから 347.7 |
コリーンから 0.0 |
■ | ■ | ■ | ■ |
010号線(トルジェボヴァー方面) |
中央ボヘミア州 | コリーン郡 |
コリーン停留所 | 1.6 | 349.3 | 1.6 | | | | | ■ | ■ | ||||
ノヴァーヴェス・ウ・コリーナ駅 | 4.1 | 353.4 | 5.7 | | | | | | | ■ | ||||
ヴェリム駅 | 2.4 | 355.8 | 8.1 | | | | | | | ■ | ||||
ツェルヘニツェ駅 | 3.4 | 359.2 | 11.5 | | | | | | | ■ | ||||
ペチキ駅 | 4.0 | 363.2 | 15.5 | | | | | ■ | ■ | 012号線(コウルジム方面) | |||
タトツェ駅 | 3.2 | 366.4 | 18.7 | | | | | | | ■ | ||||
ポルジーチャニ駅 | 4.7 | 371.1 | 23.4 | | | | | | | ■ | 060号線(フラデツ・クラーロヴェー方面) | |||
クルチョフ駅 | 2.4 | 373.5 | 25.8 | | | | | | | ■ | ||||
チェスキー・ブロド駅 | 3.5 | 377.0 | 29.3 | | | | | ● | ■ | ||||
ロストクラティ駅 | 4.6 | 381.6 | 33.9 | | | | | | | ■ | ||||
トゥクラティ駅 | 2.4 | 384.0 | 36.3 | | | | | | | ■ | ||||
ウーヴァリ駅 | 3.7 | 387.7 | 40.0 | | | | | | | ■ | 東プラハ郡 | |||
クラーノヴィツェ駅 | 4.6 | 392.3 | 44.6 | | | | | | | ■ | プラハ市 | |||
ビェホヴィツェ中駅(*2) | 3.5 | 395.8 | 48.1 | | | | | | | ■ | ||||
ビェホヴィツェ駅 | 1.2 | 397.0 | 49.3 | | | | | | | ■ | ||||
ドルニー・ポチェルニツェ駅 | 2.2 | 399.2 | 51.5 | | | | | | | ■ | ||||
キイェ駅 | 2.2 | 401.4 | 53.7 | | | | | | | ■ | ||||
リベニ駅 | 3.1 | 404.5 | 56.8 | ● | ■ | ● | ■ | 091号線(ロズトキ/ホスチヴァルジ方面) | |||
プラハ・マサリク駅 | 5.3 | 409.8 | 62.1 | ■ | ■ | 091号線(ウースチー方面)、232号線(リサー方面) |
リベニ~プラハ本駅間
編集路線名 | 駅名 | 駅間営業キロ | R | LET | Sp | Os | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
011 | リベニ駅 | - | ● | ■ | ● | ■ |
マサリク駅方面、トルジェボヴァー方面 |
プラハ市 | |
プラハ本駅 | 5.6 | ■ | ■ | ■ | ■ |
070号線(ムラダー・ボレスラフ方面)、090号線(ウースチー方面) |
(*2) 2015年12月開業[4]。
参考文献
編集- Herbert Dietrich (1987). “Die Vorläufer der Staatseisenbahngesellschaft (StEG)” (ドイツ語). Eisenbahn (2): S. 21–24. ISSN 0013-2756.
- Johann Stockklausner (1979) (ドイツ語). Dampfbetrieb in Alt-Österreich 1837–1918. Wien: Slezak-Verlag. ISBN 3-900134-41-3
- Hermann Strach (1898) (ドイツ語). Geschichte der Eisenbahnen Oesterreich-Ungarns von den ersten Anfängen bis zum Jahre 1867. Geschichte der Eisenbahene der Oesterreichisch-Ungarischen Monarchie. Band 1.1. Wien / Teschen / Leipzig: Karl Prochaska. pp. 73–503