袈裟切り地蔵
伝承
編集潮見坂という地域にある六地蔵が人を化かすという噂があった。白須賀宿に泊まっていた若侍がそれを聞き、自分が化け物を退治すると意気込んで地蔵のもとへ向かった。
若侍が六地蔵のもとへ着くと、6体ある地蔵の内の1体が一つ目の入道に化け、赤い舌を見せながらゲラゲラと大声で笑い始めた。すかさず若侍が刀を抜いて斬りつけると、入道は悲鳴をあげて消え去った。
次の日に若侍が再び地蔵を見に行くと、地蔵の1体が倒れており、袈裟懸けに斬られた跡があった。以来、この地蔵は袈裟きり地蔵、笑い地蔵などと呼ばれるようになったという。
参考文献
編集- 水木しげる 『妖鬼化 1 関東・北海道・沖縄編』 Softgarage、2004年、117頁。