直立猿人

チャールズ・ミンガスのアルバム

直立猿人』(Pithecanthropus Erectus[1]とは、ジャズベーシストチャールズ・ミンガス(当時はCharlie Mingus名義)が、1956年アトランティック・レコードから発表したアルバム、およびその冒頭に収録されている楽曲。

『直立猿人』
チャールズ・ミンガススタジオ・アルバム
リリース
録音 1956年1月30日
ジャンル ジャズポスト・バップ
時間
レーベル アトランティック・レコード
プロデュース ネスヒ・アーティガン
専門評論家によるレビュー
チャールズ・ミンガス アルバム 年表
チャールズ・ミンガス・クインテット+マックス・ローチ
(1955年)
直立猿人
(1956年)
道化師
(1957年)
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解説

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ミンガスは自主レーベル『デビュー・レコード』を主宰していたが、経営が困難となり、バンド・リーダーとしてアトランティック・レコードと契約。そして、同社での第一弾となる本作をレコーディング。マイルス・デイヴィスから紹介されたアルト・サックス奏者ジャッキー・マクリーン等、強力なメンバーを集めたクインテットで制作した。ベーシストとしては既に名の通っていたミンガスだが、本作の発表により、作曲家/バンドリーダーとしての才能も広く知れ渡った。

「直立猿人」は、ミンガス自身の説明によれば、「Evolution(進化)」「Superiority Complex(優越感)」「Decline(衰退)」「Destruction(滅亡)」の4部構成の組曲。人類の文明社会を風刺しているとも取れる曲で、ジャズに文学的要素を持ち込んだ曲として、高く評価された。巧みに計算されたテーマ部分と、破壊的な即興演奏が、激しいコントラストを織り成す。

霧深き日」は、ジョージ・ガーシュウィン作曲のスタンダード・ナンバーだが、本作では、サックスがクラクションのような音を出すなど、前衛的なアレンジが施されている。マイルス・デイヴィスは、1990年のインタビューで、自分も「霧深き日」をレコーディングしようとしたが、ミンガスの演奏が素晴らしかったため、レパートリーにするのをやめたと述懐している[2]

レコードA面では先進的な作曲・アレンジが目立つが、B面では、ジャッキーが活躍する「ジャッキーの肖像」や、15分近い大作「ラヴ・チャント」で、親しみやすい曲作りも見せている。

収録曲

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全曲、チャールズ・ミンガス作曲(2曲目以外)

  1. 直立猿人 - "Pithecanthropus Erectus" – 10:36
  2. 霧深き日 - "A Foggy Day" – 7:50(ジョージ・ガーシュウィン
  3. ジャッキーの肖像 - "Profile Of Jackie" – 3:11
  4. ラヴ・チャント - "Love Chant" – 14:59

パーソネル

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制作

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  • トム・ダウド - 録音エンジニア
  • ハル・ラスティグ - 録音エンジニア

注釈

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  1. ^ 1971年のアルバム『Pithycanthropus Erectus』(綴りが違う別作品)も邦題は同じ『直立猿人』となっている。
  2. ^ 詳細は『ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100』(小川隆夫著、河出書房新社)p.157-158参照