海上配備Xバンドレーダー
海上配備Xバンドレーダー(かいじょうはいびエックスバンドレーダー、英: Sea-based X-band Radar; SBX)はアメリカ軍がミサイル防衛用に配備を進めているレーダー。アメリカ合衆国本土へ飛来する弾道ミサイルの警戒・脅威評価を目的としている。
概要
編集アメリカミサイル防衛局によって運用が行われている。ロシア製の石油プラットホームをベースとすることから、アメリカ軍としては珍しいロシア製の装備品である。レドーム内に大型のXバンドフェーズドアレイレーダーと制御装置、発電装置を搭載し、4基の電動式スラスタを使って自走航行も可能だが低速であるため、長距離の移動は重量物運搬船が使われる。全長116m、全幅73m、排水量は50,000t。
極東からの攻撃を警戒するために、アリューシャン列島のアダック島を母港とし[1]、アラスカ近海の北部太平洋に配備される。
小型の弾道ミサイル弾頭を探知・追尾するため、使用周波数は短波長で解像度が高いXバンドとされており、発信出力もメガワット級と大きい。推定探知距離は5,000km[2]。
主契約者はボーイングで、レーダーの開発製造はレイセオンが担当している。2005年にテキサス州で建造され、メキシコ湾で試験を行った。その後、艀に搭載され、2006年にホーン岬経由で太平洋に輸送された。2007年にはミサイル弾頭探知の試験に成功。その後も弾道ミサイル迎撃試験に参加している。2012年4月には北朝鮮からの弾道ミサイル発射に対応するため、ハワイより出動し太平洋上へ配置されたことが報じられた[2]。
脚注
編集- ^ 有元隆志「最強レーダー使用認めず 北ミサイルに米国防長官」産経新聞2009年4月17日付朝刊2面。
- ^ a b “北朝鮮の“ミサイル”、米は「追跡の用意完了」”. 読売オンライン (2012年4月6日18時16分). 2014年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月2日閲覧。
- ^ Sam LaGrone (2016年11月2日). “Report: SBX-1 Radar Operated Near North Korea” (英語). USNI News
外部リンク
編集- ミサイル防衛局 FactSheet
- SPECIAL REPORT: Exclusive tour of the SBX radar 2011年11月23日 Hawaii News Now
- Report: SBX-1 Radar Operated Near North Korea November 1, 2016 USNI NEWS