有機薄膜撮像素子
有機薄膜撮像素子(ゆうきはくまくさつぞうそし)とは近年、各国で開発が進められる有機半導体を使用した撮像素子である[1][2]。
概要
編集従来の電荷結合素子(CCD)とは異なり、有機半導体を受光素子材料として使用するため、光の利用効率が高い。 有機材料のため、シリコンフォトダイオードとは異なる分光感度特性を得ることが可能で肉眼やフィルムに近い分光感度にすることも可能[3]。材料の性質から感光層が薄くなるため斜め光も利用できることもメリット。
高感度、高画質化が期待され[4]、銀塩フィルムやFoveon X3のようにRGBにそれぞれ対応する異なる分光感度特性を有する三層構造の有機半導体受光素子を使用する事により、カラーフィルタを備えない撮像素子もある[5][6][3][7]。
脚注
編集- ^ 撮像素子にも有機素材の波 ‐有機薄膜を採用したCMOSセンサー技術を開発
- ^ パナソニック、有機薄膜CMOSイメージセンサーを開発発表
- ^ a b “有機光電変換膜を積層したCMOSイメージセンサー”. 井浜三樹男、高田俊二『Fujifilm Research & Development』、52号 (2007年). 2010年8月30日閲覧。
- ^ 従来比約10倍の明るさまで忠実に画像を撮像できる有機薄膜を用いたCMOSイメージセンサ向け高機能グローバルシャッタ技術を開発
- ^ 12896画素RGB積層有機撮像 デバイスの試作
- ^ “有機撮像素子”. 日経エレクトロニクス - Tech-On!. 2010年8月30日閲覧。
- ^ 相原聡, 「2.有機光導電膜のイメージセンサへの応用」『映像情報メディア学会誌』 60巻 3号 2006年 p.291-294, 映像情報メディア学会, doi:10.3169/itej.60.291
参考文献
編集- 相原聡, 「2.有機光導電膜のイメージセンサへの応用」『映像情報メディア学会誌』 60巻 3号 2006年 p.291-294, 映像情報メディア学会, doi:10.3169/itej.60.291
- 相原聡, 「有機光電変換膜を用いた撮像デバイスの開発」『日本写真学会誌』 69巻 5号 2006年 p.320-326, 日本写真学会, doi:10.11454/photogrst1964.69.320
- 林誠之, 三ツ井哲朗, 前原佳紀 ほか, 「有機光電変換膜を積層した CMOS カラーイメージセンサー: 暗電流の低減」『日本写真学会誌』 71巻 2号 2008年 p.75-80, 日本写真学会, doi:10.11454/photogrst1964.71.75
- 相原聡, 「4.有機光導電膜を積層した撮像デバイスの開発」『映像情報メディア学会誌』 64巻 9号 2010年 p.1313-1315, doi:10.3169/itej.64.1313