小樽しゃこ祭
小樽しゃこ祭(おたるしゃこまつり)は、北海道小樽市で開催されていたイベント。2008年(平成20年)に開始され[9]、2018年(平成30年)まで開催されていた[10]。小樽産のシャコが来客に提供され[9]、シャコ浜鍋や茹でシャコ実演販売など、小樽産海産物や創作料理を味わうことのできるイベントである[2]。
小樽しゃこ祭 The Shako Festival in Otaru[1] | |
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イベントの種類 | 地域イベント |
旧イベント名 | おたる産しゃこ祭 |
開催時期 | 11月[2] |
初回開催 | 2008年11月21日 - 2008年11月22日[3] |
最終開催 | 2018年11月10日 - 2018年11月11日[4] |
会場 | |
主催 | 小樽しゃこ祭実行委員会、小樽市漁業協同組合[8] |
後援 | 小樽観光協会、小樽市[8] |
協力 | 小樽観光振興公社、新南樽市場、小樽商業高等学校、小樽未来創造高等学校、東海大学、小樽商科大学YOSAKOIサークル飛翔楽舞[8] |
最寄駅 | JR小樽駅 |
概要
編集小樽特産のシャコを観光客や小樽市民に提供すること[9]、小樽産シャコのブランド化、知名度向上を目的として企画された[11]。北海道内の漁業で採れるシャコは、大半は地元で茹でて消費される他、寿司のねたとして北海道内外の寿司店に販売されているが、料理のバリエーションが少ないため、企画当時の2008年頃には消費が低迷し、価格も下落傾向であった[9]。そこで小樽市漁業協同組合が郷土の味を甦らせることを呼びかけ、これに小樽観光協会が応える形で、企画が開始された[9]。
2008年11月に、第1回が「おたる産しゃこ祭」の名で開催された[3][5]。11月14日からは第2弾として、民宿青塚食堂や小樽朝里クラッセホテルなど、小樽市内のホテルや飲食店など11か所で、シャコのオリジナルメニューを提供する料理フェアが開催された[12]。
第1回の好評を受け、翌2009年(平成21年)には小樽市色内の運河公園で第2回開催が決定[13]。2012年(平成24年)の第5回開催時からは、従来使用していた駐車場の確保が困難となり、小樽市内中心部へ来場者を招く目的で、開催場所が、小樽市港町の小樽港第3号ふ頭多目的広場(5年後の2017年に愛称が「おたるマリン広場」に決定[14])へ変更された[7]。
2019年(令和元年)には、シャコの漁獲量が前年の約24パーセントに留まったことで、初の開催中止が決定した[15]。その後も新型コロナウイルスの影響や、シャコの仕入値の高騰化などの問題によって、2018年(平成30年)の第11回を最後として、開催が終了された[10]。
反響
編集第1回開催時は、11月8日から9日までの2日間の開催中に、予想を上回る5千人以上が訪れる盛況となった[3]。試作品のシャコの飯寿司が開始3分で完売するなど[5]、シャコが早々と品切れして、来場者の一部から不満が出るほどであった[3]。観光協会は「好評の原因は、やはり味の良さ」と手応えを語った[3]。漁協が五千部用意した「食べ方ガイド」の冊子も配り終えた[3]。
2010年(平成22年)の第3回は、小樽朝里クラッセホテルが新商品「しゃこ入りラー油」を販売したところ、200個がすぐに完売、問合せが殺到したため、急遽ホテルで増産して販売が行われるほどの好評を博した[16]。
2012年開催の第5回では、開催日の悪天候や、北海道日本ハムファイターズのパ・リーグ優勝パレードが重なるなどの悪条件が重なる中でも、2万人以上の盛況となった[17]。会場が、それまでの小樽運河公園から小樽港第3埠頭へ変更になったことで、観光客が立ち寄りやすいとの効果も見られた[18]。駐車場の順番を待つ車列ができたものの、交通の便など概ね好評であり[17]、駅前通りでは、会場へ向かう人の波ができていた[18]。2015年開催の第8回では、開店前からシャコを買い求める長蛇の列ができ、営業時間を早めて開催するほどであった[19]。
2018年(平成30年)開催の第11回では、シャコの漁獲量が前年より約4割に落ち込んだにもかかわらず、小樽産のシャコ約3万匹が確保され[4]、2日間で2万人以上が訪れる盛況となった[20]。同2018年秋は9月に発生した北海道胆振東部地震の影響で観光客が減少していたが、この祭りや、小樽ゆき物語の開催が、観光客数の回復の要因の一つとなった[21]。
脚注
編集- ^ “A City Steeped in History and Culture HOKKAIDO OTARU” (PDF) (英語). 小樽市. p. 9 (2021年1月). 2023年10月21日閲覧。
- ^ a b “小樽市のシャコ”. 美味ほっかいどう旬発見. 北海道放送 (2016年7月). 2018年6月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月15日閲覧。
- ^ a b c d e f g 桜井則彦「観光 小樽・初の「しゃこ祭」「味良し」次々完売 手応え十分「秋の起爆剤に」」『北海道新聞』北海道新聞社、2008年11月11日、樽A朝刊、26面。
- ^ a b “しゃこ汁・茹でしゃこに行列! 第11回小樽しゃこ祭”. 小樽ジャーナル. 小樽ジャーナル社 (2018年11月10日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ a b c “「おたる産しゃこ祭」好評 運河プラザに長蛇の列”. 小樽ジャーナル (2008年11月8日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ “しゃこ・ホタテが主役 しゃこ祭に長蛇の列”. 小樽ジャーナル (2011年11月20日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ a b “今年も“しゃこ”の季節! 第5回おたる産しゃこ祭11/24・25”. 小樽ジャーナル (2012年11月2日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ a b c “第11回 小樽しゃこ祭” (PDF). 小樽市漁業協同組合 (2019年10月). 2023年10月21日閲覧。
- ^ a b c d e 「シャコ料理で町おこし 小樽で来月お祭り 漁協・観光協会 北海道」『朝日新聞』朝日新聞社、2008年10月30日、北海道朝刊、35面。
- ^ a b 喜代吉健介「シャコ汁復活 だし濃厚、味わって 16、17日味覚祭 1日限定500杯」『北海道新聞』2024年11月14日、小樽朝刊、15面。
- ^ “小樽で「しゃこ祭」ブランド化など視野に旬のシャコを味わう”. 小樽経済新聞. 小樽コンサルティング (2018年11月5日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ 「小樽の秋シャコ 絶品の味を堪能 市内11施設で料理フェア」『北海道新聞』2008年11月15日、樽A朝刊、28面。
- ^ “運河公園で「おたる産 しゃこ祭」開催 11/21・22”. 小樽ジャーナル (2009年10月26日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ 小樽観光案内所スタッフ (2015年4月9日). “小樽港第3号ふ頭多目的広場の愛称が決定しました!”. 小樽観光案内所スタッフブログ. 2023年10月21日閲覧。
- ^ 谷本雄也「「小樽しゃこ祭」今年は中止 今春は前年の24% 漁獲量低迷が直撃」『北海道新聞』2019年7月24日、全道朝刊、29面。
- ^ “「道産食材活用による農水・宿泊業連携調査事業」報告書 : 平成22年度地域経済産業活性化対策調査事業” (PDF). 経済産業省委託調査報告書. 経済産業省. p. 68 (2011年3月). 2023年10月21日閲覧。
- ^ a b 「小樽「しゃこ祭」来場2万6000人 2000人減」『北海道新聞』2012年12月11日、樽B朝刊、33面。
- ^ a b “「おたる産しゃこ祭」3号ふ頭に長蛇の列”. 小樽ジャーナル (2012年11月24日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ “「しゃこ祭り」に長蛇の列! 小樽産しゃこに舌鼓”. 小樽ジャーナル (2015年11月21日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ “NHKニュース おはよう日本 2018/11/18(日)07:00”. TVでた蔵. ワイヤーアクション. p. 1 (2018年11月18日). 2023年10月21日閲覧。
- ^ “しりべし経済レポート Vol. 97” (PDF). 財務省北海道財務局小樽出張所. p. 3 (2020年11月). 2023年10月21日閲覧。