天野正子
天野 正子(あまの まさこ、1938年3月10日 - 2015年5月1日[1])は、日本の社会学者。お茶の水女子大学名誉教授。前東京家政学院大学・大学院学長。専攻はジェンダー社会学、歴史社会学、新しい社会運動論。現代生活者論。教育社会学者の天野郁夫(東京大学名誉教授)は夫。政治学者の天野拓(熊本県立大学准教授)は長男。
来歴
編集1938年、広島市生まれ[2][3]。1961年、お茶の水女子大学文教育学部(教育社会学専攻)卒業[2][3]、1970年、東京教育大学文学研究科社会学専攻(修士課程)修了(社会学修士[2])、1973年、東京教育大学文学研究科(博士課程)中途退学[2]。1973年、南山短期大学専任講師、1978年、金城学院大学文学部助教授、1983年、金城学院大学文学部教授[2]。1984年、千葉大学文学部助教授、1986年、千葉大学文学部教授[2]。1995年、お茶の水女子大学文教育学部教授[3]、1999年、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科教授(大学院評議員を併任)[2]。2003年、同大学定年退官、名誉教授[3]。同年、東京女学館大学国際教養学部教授、2006年、東京女学館大学副学長を経て、学長(2008年3月末退職)。2009年、東京家政学院大学・大学院学長(2015年3月末退職)。
1992年、思想の科学研究会・会長となったほか[4]、日本ユネスコ国内委員会委員、独立行政法人国立女性教育会館運営委員会会長、財団法人人権教育啓発推進センター評議員、日本学術会議連携会員、日本社会学会理事社会調査協会理事、国立大学法人東京学芸大学経営協議会委員などの要職を務めた[2][3]。
2001年の編著『団塊世代・新論』では、海老坂武のような「シングル論」は、強者の論理になるのではないかと指摘した。「生活者」という言葉が日本独自のものであり、その概念を英訳して世界に発信したことでも知られる[3]。
主な著書
編集単著
編集- 『第三期の女性 ライフサイクルと学習』(学文社、1979年)
- 『転換期の女性と職業~共生社会への展望~』(学文社、1982年)
- 『自立神話を超えて~女たちの性と生』(1987年、有信堂)
- 『「生活者」とはだれか~自律的市民像の系譜~』(1996年、中公新書)
- 『フェミニズムのイズムを超えて~女たちの時代経験~』(1997年、岩波書店)
- 『老いの近代 日本の50年日本の200年』(岩波書店、1999年)「老いへのまなざし」平凡社ライブラリー
- 『働く女性を助けた「モノ」のあゆみ 働く女性のあゆみ連続講座記録』女性労働協会女性と仕事の未来館 女性と仕事の未来館ブックレット 2003
- 『「つきあい」の戦後史~サークル・ネットワークの拓く地平~』(吉川弘文館、2005年)
- In Pursuit of the Seikatsusha: A Genealogy of the Autonomous Citizen in Japan (Melbourne: Trans Pacific Press, 2011)
- 『現代「生活者」論~つながりを育てる社会へ~』(有志舎、2012年)
- 『<老いがい>の時代 日本映画に読む』岩波新書、2014年
共著
編集- 『モノと子どもの戦後史』(吉川弘文館、2007年)
- Development of Sociology in Japan(Vs Verlag for Sozialwissen Schaften,2005)
- 『「モノと女」の戦後史~身体性・家庭性・社会性を軸に~』(平凡社ライブラリー、2003年)
- Higher Education 07: Special Issue on Japanese Higher Education (Kluwer Academic Publishers, Netherlands, 1997)
- 『「モノと女」の戦後史~身体性・家庭性・社会性を軸に~』(有信堂、1992年)
- 『女性ニューワーク論』(有斐閣、1989年)
- 『実学のすすめ<失業社会>にそなえて』(有斐閣、1983年)
- リーディングス『戦後日本の格差と不平等』(日本図書センター、2008年)
- 岩波講座・日本映画は生きている:第四巻『スクリーンのなかの他者』(岩波書店、2010年)
編著
編集脚注
編集外部リンク
編集- コミュニティ・自治・歴史研究会『ヘスティアとクリオ』 (編集委員)