国鉄タキ4000形貨車
国鉄タキ4000形貨車(こくてつタキ4000がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)及び1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化後は日本貨物鉄道(JR貨物)に在籍した私有貨車(タンク車)である。
国鉄タキ4000形貨車 | |
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タキ4000形、コタキ34016 1992年1月4日 | |
基本情報 | |
車種 | タンク車 |
運用者 |
日本国有鉄道 日本貨物鉄道(JR貨物) |
所有者 | 日本興化、三菱化成工業、日硫商会、東京酸曹、安宅産業、日本鉱業、住友商事、三菱金属鉱業、蔵町工場、宝商店、島田商店、日本瓦斯化学工業、越田商事、扇谷興業、東京酸曹、小原化工、東邦亜鉛、東北鉱化工業、三谷産業、大日本鉱業、日産化学工業、東邦商事、日硫商会、宇津商店、三井金属鉱業、日本製錬、伊藤忠商事、東京化成品、小名浜製錬、ソーダ商事、日曹金属化学、三菱油化 |
製造所 | 新潟鐵工所、東急車輛製造、造機車輌、富士重工業、日本車輌製造、三菱重工業、日立製作所、飯野重工業 |
製造年 | 1937年(昭和12年) - 1968年(昭和43年) |
製造数 | 351両 |
常備駅 | 敦賀駅、安中駅、日立駅他 |
主要諸元 | |
車体色 | 黒 |
専用種別 | 濃硫酸、濃硫酸及び発煙硫酸 |
化成品分類番号 | 侵(禁水)84 |
軌間 | 1,067 mm |
全長 | 10,000 mm - 10,400 mm |
全幅 | 2,590 mm、2,400 mm |
全高 | 3,525 mm、3,528 mm |
タンク材質 | 普通鋼(一般構造用圧延鋼材) |
荷重 | 35 t |
実容積 | 19.0 m3 - 19.6 m3 |
自重 | 14.2 t - 17.0 t |
換算両数 積車 | 5.0 |
換算両数 空車 | 1.6 |
台車 | TR41C、TR41D |
車輪径 | 860 mm |
軸距 | 1,650 mm |
台車中心間距離 | 5,900 mm - 6,500 mm |
最高速度 | 75 km/h |
概要
編集1937年(昭和12年)8月に、「濃硫酸」専用の35t積タンク車として新潟鐵工所にて10両(コタキ4000 - コタキ4009)が製作された。その23年後より増備が開始され1960年(昭和35年)6月13日から1968年(昭和43年)7月20日にかけて341両(コタキ4050 - コタキ4099、コタキ14000 - コタキ14099、コタキ24000 - コタキ24099、コタキ34000 - コタキ34090)が東急車輛製造、造機車輌、富士重工業、日本車輌製造、新潟鐵工所、三菱重工業、日立製作所、飯野重工業の8社で製作された。この際の車番は戦前からの続番とならずコタキ4050から開始された。専用種別は「濃硫酸及び発煙硫酸」となった車も存在した。この内コタキ34086、コタキ34087の2両はそれぞれタキ1700形(コタキ1754)、タ580形(タ1587)からの改造編入車である。
記号番号表記は特殊標記符号「コ」(全長 12 m 以下)を前置し「コタキ」と標記する。
本形式の他に「濃硫酸」又は「濃硫酸及び発煙硫酸」を専用種別とする貨車は、タム400形(418両)、タキ300形(483両)、タキ5750形(500両)等実に21形式が存在した。
落成時の所有者は、日本興化、三菱化成工業、日硫商会、東京酸曹、安宅産業、日本鉱業、住友商事、三菱金属鉱業、蔵町工場、宝商店、島田商店、日本瓦斯化学工業、越田商事、扇谷興業、東京酸曹、小原化工、東邦亜鉛、東北鉱化工業、三谷産業、大日本鉱業、日産化学工業、東邦商事、日硫商会、宇津商店、三井金属鉱業、日本製錬、伊藤忠商事、東京化成品、小名浜製錬、ソーダ商事、日曹金属化学、三菱油化の32社であった。
ドーム付き直円筒型のタンク体は、普通鋼(一般構造用圧延鋼材、SS41現在のSS400)製で荷役方式はタンク上部のマンホール又は液出入管からの上入れ、液出管と空気管使用による上出し方式である。
1979年(昭和54年)10月より化成品分類番号「侵(禁水)84」(侵食性の物質、水と反応する物質、腐食性物質、禁水指定のもの)が標記された。
車体色は黒色、寸法関係は全長は10,000mm - 10,400mm、全幅は2,590mm、2,400mm、全高は3,525mm、3,528mm、台車中心間距離は5,900mm - 6,500mm、実容積は19.0m3 - 19.6m3、自重は14.2t - 17.0t、換算両数は積車5.0、空車1.6であり、台車はベッテンドルフ式のTR41C、TR41D、TR41E-13である。
1987年(昭和62年)4月の国鉄分割民営化時には274両の車籍がJR貨物に継承され、2010年(平成22年)4月1日時点では2両が在籍する。[1]
参考文献
編集- 吉岡心平 『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑(復刻増補)』 2008年、ネコ・パブリッシング刊 ISBN 978-4-7770-0583-3
- 『日本の貨車-技術発達史-』(貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年)
脚注
編集- ^ 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』No.840 増刊 鉄道車両年鑑 p.107