名古屋フィルハーモニー交響楽団
公益財団法人名古屋フィルハーモニー交響楽団(なごやフィルハーモニーこうきょうがくだん、英文名称:Nagoya Philharmonic Orchestra)は、名古屋市に本拠を置くプロのオーケストラ。略称は「名フィル(めいフィル)」。日本オーケストラ連盟正会員[1]。
名古屋フィルハーモニー交響楽団 | |
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本拠地の愛知県芸術劇場コンサートホール | |
基本情報 | |
出身地 |
日本 愛知県名古屋市 |
ジャンル | クラシック音楽 |
活動期間 | 1966年 - |
公式サイト | 名古屋フィルハーモニー交響楽団 |
メンバー |
音楽監督 川瀬賢太郎 名誉音楽監督 小泉和裕 桂冠指揮者 小林研一郎 名誉指揮者 モーシェ・アツモン 名誉客演指揮者 ティエリー・フィッシャー コンサートマスター 後藤龍伸 小川響子 森岡聡 首席客演コンサートマスター 荒井英治 特別客演コンサートマスター 山本友重 |
概要
編集愛知県名古屋市を中心に、東海地方を代表するオーケストラとして、地域の音楽界をリードし続けている。その革新的な定期演奏会のプログラムや、充実した演奏内容で広く日本中に話題を発信。“名フィル”の愛称で地元住民からも親しまれ、日本のプロ・オーケストラとして確固たる地位を築いている[2]。
楽団結成は1966年7月10日。翌年10月、第1回定期演奏会を開催[3]。1973年4月、名古屋市の出捐により財団法人となる[3]。岩城宏之初代音楽総監督(在任期間 1971-73)をはじめ、福村芳一(常任指揮者 1971-74)、森正(音楽総監督 1974-80)、荒谷俊治(常任指揮者 1974-80)、外山雄三(音楽総監督兼常任指揮者 1981-87)、モーシェ・アツモン(常任指揮者 1987-93)、飯守泰次郎(常任指揮者 1993-98)、小林研一郎(音楽総監督 1998-2001、音楽監督 2001-03))、沼尻竜典(常任指揮者 2003-06)、ティエリー・フィッシャー(常任指揮者 2008-11)を歴代指揮者として[4]、演奏の質の向上やレパートリーの拡充に取り組んできた。
2013年4月より2016年までマーティン・ブラビンズが第8代常任指揮者を務め、多彩なレパートリーを誇る英国の実力派指揮者の就任に、全国から高い注目と期待を集め、定期演奏会「ガイア」シリーズや市民会館名曲シリーズ「ブラームス・ツィクルス」の監修を行い、名フィルとの信頼関係をより一層深め、より高レベルの演奏を目指した。2016年から2023年まで小泉和裕が音楽監督を務めた[5]。
現在の指揮者陣には、川瀬賢太郎(音楽監督)、小泉和裕(名誉音楽監督)、小林研一郎(桂冠指揮者)、モーシェ・アツモン(名誉指揮者)、テイエリー・フィッシャー(名誉客演指揮者)らが名を連ねている[6]。
2002年から2017年までウィーン・フィルのコンサートマスターであるライナー・ホーネックが首席客演コンサートマスターを務め、コンサートマスターのみならずソリスト、指揮者として名フィルのレベルアップに協力している。また2000年以来、ウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場のメンバーを中心に特別編成されたオーケストラ「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」と共演、合同公演を行っており、深い交友関係を築いている[2]。
1988年に初の海外公演としてヨーロッパ2カ国ツアー[7](フランス、スイス 広上淳一指揮)を、2000年にアジア8カ国ツアー[7](ブルネイ、シンガポール、フィリピン、大韓民国、マレーシア、ベトナム、タイ王国、台湾 本名徹次指揮)、2004年に「プラハの春」国際音楽祭からの正式招待を受けたヨーロッパ3カ国ツアー[7](ドイツ、オーストリア、チェコ 沼尻竜典、武藤英明、トマーシュ・ハヌス指揮)、2006年にアジア7カ国ツアー[7](シンガポール、フィリピン、台湾、大韓民国、タイ王国、香港、マレーシア 下野竜也指揮)を実施、大成功を収める[2]。
数多くのCD録音も行なっており、2010年には話題を呼んだティエリー・フィッシャー指揮「東京公演」のライヴ・レコーディングCDをリリース。受賞歴も多く、これまでに東海テレビ文化賞(1990年)、愛知県芸術文化選奨文化賞(1991年)、文化庁芸術作品賞レコード部門(1997年)などを受賞[2]。
シーズンごとにテーマを設け、意欲的な内容で行なっている「定期演奏会」は500回を超え、ますます充実した内容を誇っている。また、親しみやすい「市民会館名曲シリーズ」、障がいのある方を対象とした「福祉コンサート」や「こども名曲コンサート」など、バラエティに富んだ年間約110回の演奏会を行なっている[2]。
歴代指揮者
編集- 岩城宏之(音楽総監督 1971年 - 1973年)
- 福村芳一(常任指揮者 1971年 - 1974年)
- 森正(音楽総監督 1974年 - 1980年)
- 荒谷俊治(常任指揮者 1974年 - 1980年)
- 外山雄三(音楽総監督・常任指揮者 1981年 - 1987年)
- モーシェ・アツモン(常任指揮者 1987年 - 1993年、名誉指揮者 1993年 - )
- 飯守泰次郎(常任指揮者 1993年 - 1998年)
- 武藤英明(首席客演指揮者 1996年 - 1998年、客演常任指揮者 1998年 - 2001年、客演指揮者 2001年 - 2005年)
- 小林研一郎(音楽監督 1998年 - 2003年、桂冠指揮者 2003年 - )
- 沼尻竜典(常任指揮者 2003年 - 2006年)
- ティエリー・フィッシャー(常任指揮者 2008年 - 2011年、名誉客演指揮者 2011年 - )
- マーティン・ブラビンズ(常任指揮者 2013年 - 2016年)
- ボブ佐久間(名フィル・ポップスオーケストラ・ミュージックディレクター、1995年 - 2012年)
- 小泉和裕(音楽監督 2016年-2023年)[5]
- 川瀬賢太郎(音楽監督 2023年[5]- )
コンサートマスター
編集客演コンサートマスター
編集演奏会
編集- 定期演奏会
- 愛知県芸術劇場コンサートホール(年11プログラム、22公演)
- 市民会館名曲シリーズ
- 日本特殊陶業市民会館フォレストホール(年5回)
主な客演指揮者、共演者
編集これまでに、朝比奈隆、クルト・ヴェス、小澤征爾、ヤコフ・クライツベルク、ヘルベルト・ケーゲル、ヴァレリー・ゲルギエフ、ズデニェク・コシュラー、ピンカス・ズッカーマン、ルドルフ・バルシャイ、ウラジーミル・フェドセーエフ、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス、ジャン・フルネ、ハインツ・ホリガー、パーヴォ・ヤルヴィ、ハインツ・ワルベルクといった世界的な指揮者が客演。
またシュテファン・ヴラダー、ゲルハルト・オピッツ、エフゲニー・キーシン、スティーヴン・コヴァセヴィチ、ジャン=フィリップ・コラール、ジャン=イヴ・ティボーデ、ルドルフ・フィルクスニー、イェフィム・ブロンフマン、アンドレ・ワッツ、ユジャ・ワン(ピアノ)、サルヴァトーレ・アッカルド、マキシム・ヴェンゲーロフ、ギドン・クレーメル、アイザック・スターン、ピンカス・ズッカーマン、オーギュスタン・デュメイ、ジェルジ・パウク、アンネ=ゾフィー・ムター(ヴァイオリン)、今井信子、キム・カシュカシャン(ヴィオラ)、スティーヴン・イッサーリス、ヤーノシュ・シュタルケル、アンナー・ビルスマ、ボリス・ペルガメンシコフ、ミッシャ・マイスキー、ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ、ジャン・ワン(チェロ)、サー・ジェームズ・ゴールウェイ、エマニュエル・パユ(フルート)、モーリス・ブルグ、ハインツ・ホリガー(オーボエ)、モーリス・アンドレ(トランペット)、ジョゼフ・アレッシ(トロンボーン)、エディタ・グルベローヴァ、白井光子、ゲーナ・ディミトローヴァ(ソプラノ)、ベルント・ヴァイクル(バリトン)といった世界的なソリストと共演を重ねる。
関連項目
編集脚注
編集出典
編集- ^ “加盟オーケストラ”. 日本オーケストラ連盟公式HP. 加盟オーケストラ. 公益財産法人 日本オーケストラ連盟. 2023年4月15日閲覧。
- ^ a b c d e “/ 名古屋フィルハーモニー交響楽団プロフィール”. 名古屋フィルハーモニー交響楽団公式HP. 名フィルについて. 2023年4月16日閲覧。
- ^ a b 世界のオーケストラ名鑑387 2009, p. 227「名古屋フィルハーモニー交響楽団」.
- ^ 世界のオーケストラ(3) ~日本、オセアニア、中東、アフリカ、アジア全域 編~ 2022, p. 166-176「8.名古屋フィルハーモニー交響楽団」.
- ^ a b c “音楽監督退任・就任について”. 名古屋フィルハーモニー交響楽団. ニュース&トピックス. 2023年4月4日閲覧。
- ^ “/ 名古屋フィルハーモニー交響楽団指揮者陣”. 名古屋フィルハーモニー交響楽団公式HP. 名フィルについて. 2023年4月16日閲覧。
- ^ a b c d 世界の名門オーケストラ 2020, p. 192 名古屋フィルハーモニー交響楽団.
- ^ “2024年4月からのコンサートマスター体制について”. 名古屋フィルハーモニー交響楽団公式HP. 楽員動向. 2024年4月4日閲覧。
参考文献
編集- ONTOMO MOOK『世界のオーケストラ名鑑387』音楽之友社、2009年。
- ONTOMO MOOK『世界の名門オーケストラ』音楽之友社、2020年。
- 上地 隆裕著『世界のオーケストラ(3) ~日本、オセアニア、中東、アフリカ、アジア全域 編~』株式会社 芸術現代社、2022年。ISBN 978-4-87463-221-5。
外部リンク
編集- 名古屋フィルハーモニー交響楽団(公式ページ)