儲光羲
略歴
編集開元14年(726年)に進士となり、至徳元載(756年)に監察御史となる。安禄山の乱の時に賊軍に官を授けられたため、乱後は嶺南に流され、その地で没する。
詩人としての彼
編集その詩は陶淵明を模範とし、質朴・古雅の趣をふくみ、田園詩に長じ王維・孟浩然・韋応物と肩を並べた。著に『儲光羲詩集』5巻の他、『正論・九経分義疎』があり、『唐詩選』に洛陽道などの絶句4首を収めている。
田家雑興 | |
種桑百餘樹 | 桑を種(う)う百よ樹 |
種黍三重畝 | 黍を種う三重畝 |
衣食既有餘 | 衣食既に餘りあり |
時時會賓友 | 時時賓友を会す |
夏来菰米飯 | 夏来たって菰米の飯 |
秋至菊花酒 | 秋至れば菊花の酒 |
孺人喜逢迎 | 孺人(じゅじん)は逢迎を喜び |
稚児解趨走 | 稚児は趨走を解す |
日暮閒園裏 | 日暮閒園のうち |
團團蔭楡柳 | 団団楡柳を蔭にす |
酩酊乗夜帰 | 酩酊夜に乗じて帰れば |
涼風吹戸牖 | 戸牖に涼風が吹く |
清浅望河漢 | 清浅河漢を望み |
低昂看北斗 | 北斗を低昂看る |
数甕猶未開 | 数甕猶未だ開かず |
来朝能飮否 | 来朝能く飮むや否や |
長安道 | |
鳴鞭過酒肆 | 鳴鞭酒肆を過ぎ |
袨服遊倡門 | 袨服倡門に遊ぶ |
百萬一時盡 | 百万一時に尽き |
含情無片言 | 情を含んで片言なし |
洛陽道 | |
大道直如髪 | 大道 直きこと髪のごとく |
春日佳気多 | 春日 佳気多し |
五陵貴公子 | 五陵の貴公子 |
双双鳴玉珂 | 双双 玉珂を鳴らす |