メルボルン市電G形電車
G形は、オーストラリアの都市・メルボルンの路面電車であるメルボルン市電に導入される車両形式。バリアフリーに適した超低床電車で、2025年の営業運転開始を予定しており、ニュー・ジェネレーション・トラム(New Generation Tram、NGT)とも呼ばれている[1][2][3][4]。
メルボルン市電G形電車 | |
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基本情報 | |
運用者 | ヤラトラム |
製造所 | アルストム |
製造年 | 2023年 - (予定) |
製造数 | 100両(7001 - )(予定) |
運用開始 | 2025年(予定) |
投入先 | メルボルン市電 |
主要諸元 | |
編成 | 3車体連接車、両運転台 |
軸配置 | Bo′+2′+Bo′ |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
編成定員 | 150人 |
全長 | 25,000 mm |
床面高さ | 低床率100 % |
主電動機 | Škoda FCX |
主電動機出力 | 105 kW |
出力 | 420 kW |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
概要
編集2021年、ビクトリア州政府は州都・メルボルン市内を走るメルボルン市電で使用されていた高床式電車(Z形、A形)の置き換えによるバリアフリーの向上および今後の人口増加を見据えた輸送力の増強を目的に、100両の新型超低床電車を導入する計画を発表した。これに合わせて実施された入札の結果、2022年にビクトリア州運輸局はアルストムとの間に15年間のメンテナンス権を含めて約7億ユーロで契約を結んだ。これはオーストラリアおよび南半球において最大規模の路面電車車両の発注契約であり、これに基づき生産されるのがG形電車である[注釈 1][1][2][3]。
G形はボンバルディア・トランスポーテーションが開発し、2021年の買収以降はアルストムが展開する超低床電車ブランドのフレキシティ2の1つで、両運転台の3車体連接構造を予定している。全長は25 m、定員は150人となっており、先に導入された超低床電車のE形と比較して全長が短く定員数も減少しているが、その分急カーブが存在する系統への導入が可能となっている。車体は運転士や乗客の安全性を考慮し最新の耐衝撃性基準を満たした設計となっており、前面も運転士の視界向上や衝突時の安全を前提としたデザインとなっている。車内はバリアフリーに適した低床構造で、一部の乗降扉付近には車椅子スペースも設置される。また、オンボード充電器を用いた充電システムや回生ブレーキを搭載する事により消費電力の削減が図られる。主電動機はチェコのシュコダ製のものが用いられる事になっている[1][2][3][4][5][7]。
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車内(モックアップ)
製造はビクトリア州のダンデノングに位置するアルストムの工場で行われ、全部品の65 %以上はオーストラリアで生産されたものを使用する事になっている。最初の車両の製造は2023年後半以降を予定しており、2025年から営業運転に投入される。また、G形の導入に合わせ、ハイポイント・ショッピングセンター(Highpoint Shopping Centre)付近にある旧ビクトリア大学の空き地を利用し、G形の留置・修理などを行う新たな車庫(メイドストーン車庫)が建設される事になっている[1][2][8][9]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e “Next Generation Trams”. Victoria State Government. 2022年5月12日閲覧。
- ^ a b c d e “Alstom wins largest light rail contract in Australia to deliver Next Generation Trams for Melbourne, Victoria”. Alstom (2022年4月21日). 2022年5月12日閲覧。
- ^ a b c d Timna Jacks (2021年5月2日). “Melbourne’s next generation trams could be trackless with rubber wheels”. THE AGE. 2022年5月12日閲覧。
- ^ a b c “Alstom wins large light rail contract to deliver Next Generation Trams for Melbourne, Victoria”. Urban Transport Magazine (2022年4月21日). 2022年5月12日閲覧。
- ^ a b “Škoda Group se bude podílet na dodávkách tramvají do australského Melbourne”. Dopraváček (2023年7月18日). 2023年7月18日閲覧。
- ^ Russell Jones (2008年). “PMTT tramcar fleet”. Melborune Tram Museum. 2022年5月12日閲覧。
- ^ 橋爪智之 (2021年3月31日). “世界2大鉄道メーカー、小さくない「合併」の代償”. 東洋経済. 2022年5月12日閲覧。
- ^ “Maidstone home for Next Generation Trams”. Department of Transport. 2021年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月22日閲覧。
- ^ “Tram depot to be built at Maidstone”. StarWeekly (2021年9月10日). 2022年2月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月22日閲覧。
外部リンク
編集- ヤラトラムの公式ページ”. 2022年5月12日閲覧。 “