ドデシルベンゼン
ドデシルベンゼン(英: Dodecylbenzene)は、C12H25C6H5で表される有機化合物。ドデシル基(C12H25)とフェニル基(C6H5)が結合したアルキルベンゼンの一種であり、洗濯洗剤の主成分である直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの前駆体となる [1]。消防法による第4類危険物 第3石油類に該当する[2]。
ドデシルベンゼン Dodecylbenzene | |
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Dodecylbenzene | |
別称 1-フェニルドデカン、フェニルドデカン、n-ドデシルベンゼン、ラウリルベンゼン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 123-01-3 |
ChemSpider | 28977 |
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特性 | |
化学式 | C18H30 |
モル質量 | 246.43 g/mol |
外観 | 無色の液体 |
密度 | 0.856 g/cm3 |
融点 |
-7 °C |
沸点 |
290 - 410 °C (異性体混合物) |
水への溶解度 | 不溶 |
危険性 | |
NFPA 704 | |
引火点 | 135 °C |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製造
編集ベンゼンとハロゲン化アルキルから、フリーデル・クラフツ反応により製造される[3]。
性質
編集芳香のある無色の液体で、20℃では7mPa・sの粘度を持つ。高温で分解し、二酸化炭素や一酸化炭素、刺激性のガスを生じる。工業的に使用されるものは異性体混合物であり、組成により物理的性質が若干異なる[4]。
用途
編集洗濯用合成洗剤の主成分の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)の原料となるほか、ポリ塩化ビニルの粘度を調整するための希釈剤[5]や、絶縁油[6]としての用途もある。
脚注
編集- ^ Kurt Kosswig,"Surfactants" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, 2005, Weinheim. doi:10.1002/14356007.a25_747
- ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
- ^ Alkylbenzole (wissenschaft-online)
- ^ ICSC Dodecylbenzol (GESTIS)
- ^ Hans K. Felger, Alexander von Bassewitz: Polyvinylchlorid. 2. Auflage, Hanser Verlag, 1986, ISBN 3-446-14360-2, S. 1089 (ドデシルベンゼン, p. 1089, - Google ブックス).
- ^ Andreas Küchler: Hochspannungstechnik: Grundlagen – Technologie – Anwendungen; ISBN 978-3-540-78412-8.