シリアス・サム4
『シリアス・サム4』(Serious Sam 4)は、クロアチアのスタジオCroteamが開発し、 Devolver Digitalが発売したファーストパーソン・シューティングゲーム。本作は「シリアス・サムシリーズ」の一部であり、『シリアス・サム3: BFE』の前日譚である。本作は2018年4月に『Serious Sam 4: Planet Badass』(シリアスサム4 プラネットバッドアス)として発表され(後に題名変更)、2020年9月24日にMicrosoft WindowsとStadia向けに発売され、2021年12月7日にはXbox Series X/SとPlayStation 5向けに発売された[2]。
ジャンル | ファーストパーソン・シューティング |
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対応機種 | |
開発元 | Croteam |
発売元 | Devolver Digital |
デザイナー | Davor Hunski[1] |
シナリオ |
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音楽 | Damjan Mravunac[1] |
シリーズ | Serious Sam |
人数 | シングルプレイヤー、マルチプレイヤー |
発売日 |
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プロット
編集『シリアス・サム3: BFE』の出来事以前のある時、ロシアのツングースカに巨大なポータルが開き、メンタル軍はそこに地球侵略のための橋頭保を築いた。地球全体がエイリアンの侵略に対して戦っている時に、地球防衛軍のシリアス・サムが率いる部隊はブランド将軍によってローマへと送られ、エイリアンの強力なアーティファクト「聖杯」につながる手がかりを見つけたと主張するミハイル神父と会う。しかし、メンタルの将軍のひとり「ロード・アクリマン」と彼の軍隊によってローマが制圧されたため、放棄せざるを得なくなった。ローマを奪還するために、サムと彼の同僚はポンペイへと退却し、そこで彼らは地震装置を使用しヴェスヴィオ山を噴火させ、アクリマンの空軍を混乱させた。しかし、その際にサムの仲間の1人、ジョーンズがエイリアンのモンスターの一体によって殺害されてしまう。
ローマに戻ると、サムはミハイル神父の指示に従ってバチカンへと向かい、そこで入手した本には、フランスのカルカソンヌの放棄された教会に聖杯があることが明らかになった。再び都市でサムはアーキマンと対峙し、アーキマンはサムの目の前で新兵のケニーを殺し、逃走した。地元レジスタンスの助けを借りて教会へとたどり着いたサム達はアクリマンと対決し、ケニーの敵討ちでサムが彼を殺した。教会内部でミハイル神父が聖杯を発見するも、実際の聖杯は契約の箱の中に保管されていたエイリアンの笏であった。そしてブランド将軍が現れ、自分はメンタルに聖杯を贈り物として提供しようとしている裏切者だと明らかにした。彼は聖杯を使ってモンスターへと変貌してミハイル神父を殺し、サムを彼のチームと共に捕らえた。
ブランドの輸送機の内部で目覚めたサムはパラシュート降下で脱出し、北極圏の放棄された石油プラットフォームにたどり着く。そこでボートを手に入れ、ブランドを追ってツングースカへと向かう。道中でサムは別次元の彼自身からの支援を受け、ブランドがポータルで脱出する前に追いつけるようにスノーモービルが提供された。ポータル地点にたどり着いたサムは彼の友人も脱出していたことを知り、彼らは地球防衛軍とエイリアン軍の間の大規模な戦いに参加する。ブランドはサムを捕まえ、聖杯とサムの両方をメンタル最強の戦士のひとり「ウグザンⅥ」への贈り物として提供しようとしたが、ウグザンⅥは彼を弾き飛ばした。友人からの助けを借りてサムは聖杯でウグザンⅥを殺した後、ブランドを縛り付けたICBMを発射し、ポータルを破壊した。
戦闘の後、サムと生き残った仲間達は失った彼らの仲間を思い出しつつ祝い、サムは彼らの次の任務がエジプトにあることを示し、エジプトが舞台の『シリアス・サム3: BFE』の出来事へとつながっていく。ポストクレジットシーンでは、代替現実のサムは、サムがローマで出会った老婦人に会い、彼女の助けを求める。
開発
編集シリアス・サム4の開発は2012年10月に始まった[3]。2013年6月7日にウェブサイト「Humble Bundle」がゲームの資金調達のためにシリアス・サムシリーズの過去作を数本収録した「Humble Weekly Sale」を開催したことでシリアス・サム4の開発が確認された[4][5]。ゲームの「ジャマー」機能(一定の半径内のオブジェクトを無効にできる可動式デバイス)のプレイテストにより、開発チームはこのコンポーネントと将来性のあるメカニクスは別のタイプのゲームにより適していると考え、最終的に『The Talos Principle』が開発された[6][7]。2015年9月には、『The Talos Principle』の共同脚本家であるJonas Kyratzesが、妻のヴェレナとともにシリアス・サム4の脚本家を務めることが発表された[8]。
2018年4月19日、クロアチアで開催されたカンファレンス「Reboot Develop 2018」のオープニングでシリアス・サム4が『Serious Sam 4: Planet Badass』というタイトルでティーザー映像と共に発表された[9]。同年6月に開催されたE3 2018では、1つのステージが秘密裏にデモされた[10][11]。当時、本作は2019年に発売を予定していた[11]。2020年5月20日、Planet Badassの副題が無くなったシリアス・サム4は、発売時期をMicrosoft WindowsおよびStadia向けが2020年8月と再発表した[12][13]。デベロッパーによれば、数人の地球人が侵略軍と戦うというプロットから生まれた副題「Planet Badass」は、この部分を他の言語にローカライズすることが不可能であったため削除されたという[14]。
本作の開発に当たっては、Croteamが開発した「Legion System」というレンダリングシステムが用いられており、一度に膨大な数のモンスターが出現する[15]。 また、地形生成に当たっては、あらかじめモデリングした植物や岩石などの地形構成パーツと、プロシージャル生成した地形パーツを組み合わせるという手法が取られた[16]。
本作の発売は9月24日に延期された[17]。Stadiaとの独占契約のため、PlayStation 4とXbox One版の発売は延期された[12][18]。2021年12月8日にXbox Series X/SとPlayStation 5版が発売された。
評価
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レビュー収集サイトのMetacriticによると、シリアス・サム4は賛否両論または平均的なレビュー(mixed or average reviews)を受けており、42件の批評家のレビューを基に68/100の正規化された評価を算出している[19]。 日本のゲーム系ニュースサイト・4Gamer.netのYamaChanは、ところどころ未翻訳の箇所がありながらも日本語字幕が用意されているのはありがたいと述べ、ストーリーも見ごたえがあると評価している[27]。 また、YamaChanはゲームの基本的な部分は昔ながらのFPSと変わらず、シンプルながらも遊びごたえのあるゲーム性に仕上がったと評価している[27]。 一方で、YamaChanは、本作のグラフィックについて、シリアス・サムシリーズとしては大きな進化を遂げたが、最近の他のゲームと比べると若干見劣りすると指摘し、大勢の敵をいっぺんに表示できる「LEGION SYSTEM」もごく一部のステージでしか使われず、ゲームの体験としては大味だったと述べている[27]。 ライターのBRZRKはファミ通に寄せた記事の中で、カットシーンはB級映画や『Duke Nukem』のようなコミカルな雰囲気があり、気が緩んできたちょうどいいタイミングでカットシーンが入って清涼剤となったと述べている[28]。一方で、BRZRKは欠点として繰り返し同じような戦闘が続く点を挙げている[28]。ライターの文章書く彦はGame*Sparkに寄せた記事の中、暴力的だったり冒涜的だったりするブラックジョークが本作の一番の魅力であるとしている[29]。 文章書く彦はプレイスタイルが良くも悪くも古臭いと述べ、あまりにも変わっていなくて驚いたともしており、スキルツリーも申し訳程度だったとしている[29]。
脚注
編集- ^ a b Reboot (26 January 2016). Reboot Game Developer Studio Sessions – Croteam. YouTube. 2020年6月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月11日閲覧。
- ^ doope!. “「Serious Sam 4」の海外PS5とXbox Series X|S版がアナウンスと同時に発売、PCを含むXbox Game Pass入りも « doope! 国内外のゲーム情報サイト”. 2021年12月8日閲覧。
- ^ “About Croteam”. Croteam (2020年). 2020年11月16日閲覧。
- ^ Savage, Phil (7 June 2013). “Serious Sam 4 to be funded through the seriously good Humble Weekly Sale”. PC Gamer. 18 January 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ Hillier, Brenna (7 June 2013). “Serious Sam 4 inbound, to be funded by Humble Bundle proceeds”. VG247. 27 January 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ Wawro, Alex (2 March 2015). “Reactive game dev: How Serious Sam 4 became The Talos Principle”. Gamasutra. 21 March 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ Tach, Dave (2 March 2015). “The Talos Principle began with Serious Sam 4 thanks to 'reactive game development'”. Polygon. 3 June 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ Chalk, Andy (25 September 2015). “The Talos Principle writer signs up for Serious Sam 4”. PC Gamer. 9 August 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ Purchese, Robert (19 April 2018). “Croteam announces Serious Sam 4: Planet Badass”. Eurogamer. 2 June 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ Gach, Ethan (19 June 2018). “Serious Sam 4 Is Aiming For 100,000 Enemies On Screen At Once But It's Not There Yet”. Kotaku. 24 June 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ a b Singletary, Charles Jr. (22 June 2018). “Serious Sam 4 Interview: First Encounters of the Badass Kind”. Shacknews. 8 August 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2020閲覧。
- ^ a b Fingas, Jon (20 May 2020). “'Serious Sam 4' arrives on PC and Stadia in August”. Engadget. 23 May 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。26 May 2020閲覧。
- ^ Chalk, Andy (20 May 2020). “Serious Sam 4 threatens to put 100,000 enemies on your screen at once”. PC Gamer. 26 May 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。26 May 2020閲覧。
- ^ “Serious Sam 4 Devs Dropped 'Planet Badass' Subtitle Because It Wouldn’t Make Sense In Other Languages” (英語). Kotaku. 2020年9月21日閲覧。
- ^ “サムが帰ってくる! シリーズ最新作「Serious Sam 4」のリリースが2020年8月に決定”. www.4gamer.net. Aetas (2020年5月21日). 2020年6月28日閲覧。
- ^ “[GDC 2019]「Serious Sam 4」は地形生成にハンドメイドとプロシージャル技術を組み合わせたハイブリッド技法を採用”. www.4gamer.net. Aetas. 2020年6月28日閲覧。
- ^ “Serious Sam 4 Has Been Delayed Slightly, Locking In A September Date” (英語). GameSpot. 2020年9月21日閲覧。
- ^ Walker, Ian (20 May 2020). “Stadia Exclusivity Will Keep Serious Sam 4 Off PS4 And Xbox Until 2021”. Kotaku. 27 May 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。26 May 2020閲覧。
- ^ a b “Serious Sam 4 for PC Reviews”. Metacritic. 25 September 2020閲覧。
- ^ Carter, Chris (24 September 2020). “Review: Serious Sam 4”. Destructoid. 2020年11月16日閲覧。
- ^ King, Andrew (24 September 2020). “Serious Sam 4 Review – The Fourth Encounter”. GameSpot. 2020年11月16日閲覧。
- ^ Cunningham, James (24 September 2020). “Review: Serious Sam 4”. Hardcore Gamer. 2020年11月16日閲覧。
- ^ Stapleton, Dan (24 September 2020). “Serious Sam 4 Review”. IGN. 25 September 2020閲覧。
- ^ Wilde, Tyler (24 September 2020). “Serious Sam 4 review”. PC Gamer. 2020年11月16日閲覧。
- ^ Boudreau, Ian (24 September 2020). “Serious Sam 4 review – good old Uncle Sam”. PCGamesN. 2020年11月16日閲覧。
- ^ Hawkins, Josh (24 September 2020). “Serious Sam 4 review: Serious fun”. Shacknews. 2020年11月16日閲覧。
- ^ a b c YamaChan (2020年10月9日). “ハロー!Steam広場 第300回:撃ちまくり系といえばこれ。銃火器をぶっ放してモンスターを肉塊にしていくFPS「Serious Sam 4」”. www.4gamer.net. Aetas. 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b BRZRK (2020年9月25日). “E63M1: 『シリアスサム4』すんげー数の敵を凶悪な銃をぶっ放しまくって倒す、脳筋コンセプトを突き詰めたキワモノFPS最高峰! - BRZRKの「うるせー洋ゲーこれをやれ」(仮)”. ファミ通.com. KADOKAWA. 2020年12月6日閲覧。
- ^ a b “大人気シリーズ待望の続編、数え切れないほど大量の敵に立ち向かえ!『Serious Sam 4』プレイレポート”. Game*Spark. イード (2020年10月5日). 2020年12月6日閲覧。
外部リンク
編集- CroteamのWebサイトのSerious Sam 4
- Devolver DigitalのWebサイトのSerious Sam 4