グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣

1976年に公開された日本のアニメ映画
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グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣』(グレンダイザー ゲッターロボジー グレートマジンガー けっせん だいかいじゅう)は、1976年7月18日に東映まんがまつりで公開された日本のアニメーション映画作品。上映時間は30分。

グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣
Mazinger VS Seamonster[1]
監督 明比正行
脚本 高久進
原作 永井豪とダイナミック企画[注釈 1]
製作 今田智憲
有賀健、小田克也(企画)
ナレーター 山田俊司(予告編)
出演者 富山敬
石丸博也
野田圭一
神谷明
音楽 菊池俊輔渡辺宙明
主題歌 ささきいさおコロムビアゆりかご会「いざ行け! ロボット軍団」
撮影 目黒宏、相磯嘉雄
編集 鳥羽亮一
製作会社 東映フジテレビ
配給 東映
公開 1976年7月18日
上映時間 30分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
前作 UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー
次作 UFOロボ グレンダイザー 赤い夕陽の対決(TV版 第49話「赤い夕陽に兄を見た!」のブロウアップ再編集版)
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キャッチコピーは「夏やすみに見られるぞ! 大海獣ドラゴノザウルスと、われらがロボット軍団の決戦!」。

概要

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永井豪原作の『UFOロボ グレンダイザー』・『グレートマジンガー』・『ゲッターロボG』のクロスオーバー作品であり、劇場版マジンガーシリーズの連続通算第9作目[注釈 2]。劇場版としては唯一、オリジナルの主題歌がレコーディングされ、主題歌の歌詞および劇中で「ロボット軍団」の呼称が用いられている。

原作者は当初から劇場最終作を予定し自作のテレビアニメキャラクターを総動員させるつもりだったが、放送局の相異もあり実現しなかった[要出典]。また、『鋼鉄ジーグ』に関しては「サイズ(ロボットの身長)関係で遠慮(出演させない)して貰った」と語っている[2](ちなみに、各作品の設定ではグレートマジンガーが身長25m、グレンダイザーが身長30m、ゲッターロボG(ゲッタードラゴン)は50mとサイズに差があるが、本作中では演出上、同等のサイズに描かれている。前述の事情で登場を見合わせた鋼鉄ジーグは身長10m)。

歴代の劇場版作品および従来の各TV版作品とは大きく異なる特徴として、「戦う相手が生身の巨大生物である(サイボーグ化された巨大生物、或いは巨大ロボットではなく、完全に有機生物である)」「戦う相手を操る知的生命体(敵勢力)が一切登場せず、闘争本能だけで襲いかかってくる」といった作品要素が挙げられる(これらは後年制作される実写映画作品「パシフィック・リム・シリーズ(「パシフィック・リム」「パシフィック・リム: アップライジング」)」「ゴジラvsコング」「ゴジラvsメカゴジラ」「ゴジラ×メカゴジラ」「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」「ゴジラvsスペースゴジラ」および特撮TVドラマ「ウルトラマンZ(「特空機」登場回の一部)」「ウルトラマンブレーザー(「特戦獣」登場回の一部)」と同じコンセプトでもある)。

『UFOロボ グレンダイザー』以外の作品は既に放送を終了しており、同作は時期的にはダブルスペイザー登場前後である。ボスに関してはゲスト出演していたこともあり重複しない様に兜甲児との絡みは控え目にされ、もう一人の戦友・剣鉄也との絡みがメインとなった。『マジンガーZ』からはボスボロット以外にもダイアナンAが登場している。

なお英文タイトルは『Mazinger VS Seamonster[1]であり、直訳すると『マジンガー対海獣』で、グレンやゲッターがタイトルに入っていない。

ストーリー

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早乙女博士の要請により、行方を絶った海底調査船バチスカーフの捜索に出動したゲッターチームは、海中で巨大な怪物と遭遇する。それこそがバチスカーフを沈め、次々と航行中の船舶を襲っていた元凶ドラゴノザウルスだった。

脅威となる大海獣を倒すべく急遽グレンダイザー、グレートマジンガー、ゲッターロボG[注釈 3]の三体にダブルスペイザー、ビューナスA、ダイアナンAを加えた「ロボット軍団」が編成される。しかし、仲間外れにされ、功名に逸って抜け駆けしたボスボロットがドラゴノザウルスに呑み込まれてしまい、迂闊に攻撃できなくなってしまう。果たして、ロボット軍団は強敵ドラゴノザウルスを倒せるのだろうか?

ゲストモンスター

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古代海獣ドラゴノザウルス
太古に死滅したと思われていた大海獣の生き残り。タンカー事故による重油流出など海洋汚染の影響で著しく巨大化し、いつしか石油を常食とするようになっていた。クラゲに似た形状をしており、傘状の本体と7本ある触手のすべてに龍のような顔がある。生命力が異様に強く、身体の一部を切断されても直ちに再生する。ミサイル攻撃も身体に埋まるだけで爆発せず効果がない。主に石油を求めて海中を徘徊するが、陸に上がって空を飛ぶことすら可能(その原理は不明)。
ボスボロットを本体の口から呑み込むが、それをグレートマジンガーが救出した際、胃袋に石油が詰まっていることが判明、これが攻略の決定的な糸口となる。ガスタンクを口に放り込まれた後にグレンダイザーのダブルハーケンとダブルスペイザーのダブルカッターで腹を切り裂かれ、とどめのゲッタードラゴンのシャインスパークをその傷口に受けたことで体内の石油に引火し、大爆発を起こして絶命した。
  • 体長:550メートル
  • 体重:40万トン
※上記の数値は設定画に書きこまれており、その設定画では“ドラゴザウルス(もしくはドラゴ・ザウルス)”と表記されている[3]

キャスト

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原則としてテレビ版と同じ声優が演じているが、『マジンガーZ』・『グレートマジンガー』の弓教授とヌケが変更となっている。

宇宙科学研究所
早乙女研究所
新科学要塞研究所[注釈 6]
光子力研究所
その他

スタッフ

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  • 製作:今田智憲
  • 企画:有賀健、小田克也
  • 製作担当:横井三郎
  • 原作:永井豪とダイナミック企画[注釈 1]
  • 脚本:高久進
  • 演出:明比正行
  • 作画監督:木野達児
  • 美術監督:浦田又治
  • 音楽:菊池俊輔渡辺宙明[注釈 8]
  • 原画:阿部隆、小川明弘、金山通弘、角田紘一、広田全、的場茂夫、森英樹、湖川滋木下勇喜
  • 動画:石山毬緒、薄田嘉信、金山圭子、小林敏明、坂野隆雄、田村晴夫、服部照夫、草間真之介、熊川正雄、平川やすし
  • トレース:入江三帆子、黒沢和子、坂野園江
  • 彩色:阿部慶子、後藤美津子、山内正子、村田邦子
  • セログラフ:林昭夫、茂木明子
  • 仕上検査:森田博、小鯨正豊
  • 仕上進行:平賀豊彦
  • 背景:川井憲、高野正道、佐藤正行、笠原淳二
  • 美術進行:鳥本武
  • 特殊効果:岡田良明、林富喜江
  • 演出助手、製作進行:福島和美
  • 撮影:目黒宏、相磯嘉雄
  • 編集:鳥羽亮一
  • 録音:波多野勲
  • 選曲:宮下滋
  • 効果:(スワラ・プロ) 伊藤克己
  • 記録:安藤まるみ
  • 録音スタジオ:タバック
  • 現像:東映化学

主題歌・挿入歌

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本作用に、2つの新曲「いざ行け! ロボット軍団」「戦いの詩」が作られ、シングル・レコード(型番:SCS-302)として1976年7月に発売された。製作は原作にあたる3作品のうち、唯一の現行放映番組だった『UFOロボ グレンダイザー』の音楽制作スタッフと歌手による。

主題歌&挿入歌「いざ行け! ロボット軍団」
作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:ささきいさおコロムビアゆりかご会
挿入歌「戦いの詩」
作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:ささきいさお
挿入歌「とべ! グレンダイザー」
作詞:保富康午 / 作曲・編曲:菊池俊輔 / 歌:ささきいさお、コロムビアゆりかご会
TVシリーズ『UFOロボ グレンダイザー』OPより。

同時上映

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作品名 原作 (声の)出演 備考
アリババと40匹の盗賊 大山のぶ代滝口順平大塚周夫内海賢二富田耕生 リバイバル版
秘密戦隊ゴレンジャー 爆弾ハリケーン 石森章太郎 誠直也宮内洋だるま二郎小牧りさ伊藤幸雄高原駿雄 劇場用新作
ザ・カゲスター 八手三郎 立花直樹早川絵美納谷悟朗
山口さんちのツトム君 (なし) 斎藤こず恵
一休さん 虎たいじ 藤田淑子宮内幸平桂玲子山田俊司野田圭一
母をたずねて三千里 エドモンド・デ・アミーチス 松尾佳子永井一郎信沢三恵子
宇宙鉄人キョーダイン 石森章太郎 夏夕介佐々木剛堀江美都子

映像ソフト

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コミカライズ

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桜多吾作による執筆で講談社テレビマガジン』1976年8月号増刊に「グレンダイザー★ゲッターロボG★グレート・マジンガー 決戦!大海獣」のタイトルで掲載され[8]、当時の講談社KC(TVマガジン)コミックス『UFOロボ グレンダイザー』第2巻[9]に「大あばれ!正義のロボット軍団の巻」として収録された。内容は映画にほぼ忠実ではあるが、『UFOロボ グレンダイザー』 のキャラクター(デュークや宇門源蔵)が、秋田書店冒険王』に連載していた桜多版漫画のオリジナルデザインで描かれており、その点に関しての『テレビマガジン』やKC(TVマガジン)コミックスの読者に対する説明は特にされていない。また、桜多版では戦死している剣鉄也やゲッターチームが存命の設定で描かれている。
後に大都社刊『決戦!ゲッターロボG[10]に「グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー 決戦・大海獣」[注釈 9]のタイトルで復刻・再収録されている。

その他に、徳間書店『別冊テレビランド』10号に、三森あきら執筆による『グレートマジンガー ゲッターロボG グレンダイザー 決戦!!大海獣[注釈 10]』が掲載された[11]

コミカライズ版 続編

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  • マジンカイザー対真ゲッターロボ(作:Moo.念平) - ムック型書籍「不滅のスーパーロボット大全 マジンガーZからトランスフォーマー、ガンダムWまで徹底大研究」(二見書房)に収録。作中に登場するゲッターロボシリーズおよびマジンガーシリーズの設定は映画「グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣」より時系列的に後の作品として創作されている。また主人公は真ゲッターロボのメインパイロット「流竜馬」では無く兜甲児となっている。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b オープニング・クレジットに基づく。なお『ゲッターロボG』の原作者・石川賢の名は表記されていない。
  2. ^ これがUFOだ!空飛ぶ円盤』と『宇宙円盤大戦争』、さらにテレビ版第57話を改題した『マジンガーZ対ドクター=ヘル』の上映を含んだ場合。
  3. ^ 本来、テレビシリーズ『ゲッターロボG』の劇中においては“ゲッターロボ”としか呼ばれておらず、当時の映像作品の中で、ロボットの固有名詞を“ゲッターロボG”と劇中で呼称したのは本作のみである。
  4. ^ エンディングのキャスト・クレジットで石丸博世と誤記されている。
  5. ^ a b c d 映像では未クレジット。
  6. ^ 作中では台詞で触れられているのみで、具体的なデザインなどは未登場。
  7. ^ テレビシリーズでは宇門源蔵と同じ八奈見乗児が演じていた。
  8. ^ 主題歌の作曲・編曲は菊池が担当(主題歌・挿入歌の項を参照)。BGMは原作にあたる各テレビアニメシリーズのものから流用された。
  9. ^ 目次では「決戦・大海獣」の部分に、中黒(・)の代わりに(!)が付いて「グレンダイザー・ゲッターロボG・グレートマジンガー 決戦!大海獣」となっている。
  10. ^ 映画のタイトルとは微妙に異なっている。

出典

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  1. ^ a b 「東映動画 長編アニメ大全集 下巻」(徳間書店)268頁 1978年
  2. ^ 『TIME TRIP CD SERIES 永井豪の世界』(CDライナー)日本コロムビア、1989年、5頁。CC-4343。 
  3. ^ 「MAZINGER'S ENEMY in The MOVIE 『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦! 大海獣』」『マジンガーシリーズ 40周年記念公式図録 狂機乱武-機械獣/妖機械獣・戦闘獣・円盤獣/ベガ獣の世界-』グライドメディア(現・大洋図書)、2013年5月31日、195頁。ISBN 978-4-8130-2218-3 
  4. ^ 「DVD & VIDEO Selection」『宇宙船』Vol.100(2002年5月号)、朝日ソノラマ、2002年5月1日、102頁、雑誌コード:01843-05。 
  5. ^ <東映まんがまつり>公開の「マジンガーZ」関連劇場版を収めた単巻Blu-ray2タイトルが同日発売
  6. ^ 『MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版 豪華版』(4K ULTRA HD Blu-ray2枚 & Blu-ray Disc2枚 & Blu-ray Bonus Disc1枚 5枚組)USTD40407、東映ビデオ株式会社、2023年8月9日。
  7. ^ 『MAZINGER THE MOVIE 1973-1976 4Kリマスター版』(4K ULTRA HD Blu-ray & Blu-ray Disc 4枚組)USTD20724、東映ビデオ株式会社、2023年8月9日。
  8. ^ 講談社『テレビマガジン』8月号増刊「夏休み新ヒーローせいぞろいジャンボ号」1976年7月15日発売(奥付表記では1976年8月15日発行)、28頁。
  9. ^ ダイナミックプロ・著、講談社KC(TVマガジン)コミックス(KCT805)『UFOロボ グレンダイザー』第2巻、ISBNコードなし、1976年11月25日発行。
  10. ^ 永井豪/石川賢/桜多吾作・著、大都社刊St COMICS『ゲッターロボG・アンソロジー 決戦!ゲッターロボG』ISBN4-88653-130-X、1999年8月10日発行。
  11. ^ 徳間書店、『別冊テレビランド』10号(1976年8月号)、1976年7月15日発売(奥付表記では1976年8月15日発行)、113頁。

関連項目

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外部リンク

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