オーダイン』 (ORDYNE) は、ナムコが開発し1988年9月に稼働されたアーケード横スクロールシューティングゲーム

オーダイン
ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 アーケード (AC)
開発元 ナムコ
発売元 ナムコ
プロデューサー 中村雅哉
ディレクター すなどりねこさん
ウォンウォン
デザイナー 大石益也
プログラマー スローロ田中
音楽 細江慎治
美術 小森谷勇一郎
安斎じゅんこ
インドリ中村
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 業務用基板(4.29メガバイト
稼働時期 日本 1988091988年9月
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE(6歳以上)
INT IARC:3+
コンテンツアイコン アメリカ合衆国 Mild Cartoon Violence
デバイス 8方向レバー
2ボタン
システム基板 SYSTEM II
CPU MC68000 (@ 12.288 MHz)×2
MC6809 (@ 3.072 MHz)
HD63705 (@ 2.048 MHz)
サウンド C140 (@ 21.39 kHz)
YM2151 (@ 3.57958 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
288×224ピクセル
60.61Hz
パレット8192色
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企画は後に『ソウルエッジ』(1996年)を手掛けた大石益也が担当。

概要

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システムII基板第2弾。同基板の回転機能・拡大縮小機能を十二分に利用し、背景に固定された障害物が回転したり、敵キャラクターがローリングしながら体当たりするなど、これまでのシューティングとは一線を画した独特の演出や、ゲーム中に獲得したクリスタル(通貨)によってパワーアップ用の装備を購入したり、福引をしたりすることができる事を特徴としている。ステージ終了後にボスを絡めた泊博士と珍のアイキャッチが表示されるなど、全体的にポップでコミカルな世界観が特徴。

8方向1レバー、2ボタン(前方へ飛ぶショット、放物線を描いて落下するボム(ボンブ))で自機を操作する。全7ラウンドの1周エンド。

ゲーム内容

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武器・アイテム

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ゲーム中に出現する「空中IN」に入ることで、店員のみゆきちゃんからアイテム(武器)を購入できる。アイテムは表示される3種類から一つを選んで購入する(表示されないアイテムは購入出来ない)。一度に2種類以上のアイテムは購入できないが、2つのアイテムがセットになった「お買い得セット」が存在する。

大別して、ショットボタン用、ボンブボタン用、その他で構成。ストックボンバーを除くショットの残り時間と、ボンブアイテムの残り数は画面下に表示される。

ストックボンバー
自機がバリアで包まれ、前方にパックマン状の装備が施される。敵の弾を吸収して螺旋を描く拡散ショットが発射できる。
攻撃せずに敵弾を吸収するほどパックマンが大型化していくとともにバリアが黄色、赤と変化していき、より強力になっていくが、攻撃するか吸収しすぎると青に戻る。
敵や障害物に3回当たるまで使用可能。
ワイドブラスター
上下幅の範囲が広い大型ショットが撃てる。時間制。
スリーウェイ
ショットが3方向になる。時間制。
アフターファイアー
敵を貫通する伸びる火炎を前後に発射する。時間制。
バルカン砲
ボタンを押しっぱなしで高速連射できる。時間制。
ファイアーボンブ
敵や地形に当たることで広範囲にダメージが与えられるボム。ボンブボタンで使用。最大5発まで持てる。
サブロック
上方向に発射されるミサイルで、性質にはファイアーボンブに近い。ボンブボタンで使用。最大5発まで持てる。2P側(サンデー珍)しか購入出来ない。
ホーミングミサイル
敵を自動追尾する誘導弾を8発射出する。ボンブボタンで使用。最大5発まで持てる。
スピードアップ
空中での自機のスピードが上がる。ミスしても残る。
水中モーター
水中での自機のスピードが上がる。ミスしても残る。
マイシップ
自機が一機増える。

ドリームコルテット

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ゲーム中に現れるドリームコルテット(DREAM Co. Ltd.)に接触すると、抽選料と引き替えで福引が行える。福引は1~8の番号が振られた回転する的で、当たった番号によりクリスタルやアイテムを獲得できる(装備系の場合は付け替えるか選択できる)。ただし、はずれを引く場合もある。

ストーリー

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天才科学者、泊裕一郎は、あらゆる物質を好きなものに作り変える事ができる夢の原子変換装置『オーダイン』を完成させ、その起動装置を組み込んだペンダントを婚約者の相原香奈にプレゼントする。ところが、結婚式の前日、オーダインに目をつけた悪人クボタがペンダントもろとも香奈をさらってしまう。

オーダインを取り戻すと共に香奈を救い出すべく、泊博士は弟子のサンデー珍と共に戦闘機に乗り込み、クボタ率いる悪の軍勢に立ち向かっていくのであった。

移植版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 オーダイン   198909081989年9月8日
  1990年
PCエンジン ナムコ   ナムコ
  NEC-HE
4メガビットHuCARD[1]   NC89004
  TGX040022
-
2 ナムコミュージアム VOL.4   199611081996年11月8日
  199706301997年6月30日
  1997081997年8月
PlayStation ナムコ ナムコ CD-ROM   SLPS-00540
  SLUS-00416
  SCES-00701
アーケード版の移植
3 オーダイン   200705072007年5月7日
  2007年8月21日[2][3]
Wii バンナム バンナム ダウンロード
バーチャルコンソール
  PA8J
  PA8E
PCエンジン版の移植
4 オーダイン   2009年12月1日[4]
Wii バンナム バンナム ダウンロード
(バーチャルコンソールアーケード)
- アーケード版の移植
5 オーダイン   2022年10月27日[5][6][7][8]
PlayStation 4
Nintendo Switch
ナムコ ハムスター ダウンロード
アーケードアーカイブス
- アーケード版の移植
海外版も収録
PCエンジン版
1989年9月8日HuCARDで発売。
PlayStation版
1996年11月8日発売の『ナムコミュージアム VOL.4』に収録。
Wii(バーチャルコンソール)版
2007年8月21日よりPCエンジン版が、2009年12月1日よりアーケード版が配信されている。
PlayStation 4版 / Nintendo Switch版
2022年10月27日よりアーケードアーカイブスの1作品として配信。国内版のほか、海外版も収録してある。

スタッフ

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アーケード版
  • 製作:中村雅哉
  • プロジェクト・チーフ:すなどりねこさん、ウォンウォン
  • プログラム:スローロ田中
  • キャラクター・デザイン:ベローシ小森谷(小森谷勇一郎)、マーモセット安斎(安斎じゅんこ)、インドリ中村
  • サウンド:タマリン細江(細江慎治
  • 企画:ボウシテ大石(大石益也)
PCエンジン版
  • プログラム:普川隆志

評価

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評価
レビュー結果
媒体結果
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー18/40点 (PCE)[9]
ファミ通28/40点 (PCE)[10]
IGN7/10点 (Wii)[11]
NintendoLife           (Wii)[11]
月刊PCエンジン79/100点 (PCE)
PC Engine FAN22.54/30点 (PCE)[1]
(総合121位)
Aktueller Software Markt9.2/12点 (PCE)[9]
TurboPlay           (PCE)[9]
受賞
媒体受賞
第2回ゲーメスト大賞大賞 6位[12]
ベストエンディング賞 7位[12]
ベストシューティング賞 3位[12]
ベストグラフィック賞 5位[12]
ベストVGM賞 6位[12]
年間ヒットゲーム 22位[12]
ゲーメストザ・ベストゲーム 第60位[13]
(1991年)
アーケード版

ゲーム誌『ゲーメスト』(新声社)誌上で行われていた「第2回ゲーメスト大賞」(1988年度)において大賞6位を獲得、その他に年間ヒットゲームで22位(次年度39位)、ベストエンディング賞で7位、ベストシューティング賞で3位、ベストグラフィック賞で5位、ベストVGM賞で6位、ベストキャラクター賞ではみゆきちゃんが7位、泊裕一郎&サンデー珍が14位を獲得した[12] 。また、ゲーメストムック『ザ・ベストゲーム』(1991年)において、『ゲーメスト』読者による全アーケードゲームを対象とした人気投票で第60位を獲得した[13]

PCエンジン版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では7・7・8・6の合計28点(満40点)[10]、『月刊PCエンジン』では75・80・80・80・80の平均79点、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、22.54点(満30点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で121位(485本中、1993年時点)となっている[1]。同雑誌1993年10月号特別付録の「PCエンジンオールカタログ'93」では、アーケード版での回転拡大縮小機能を使用した演出がカットされた事に関して、「うまくアレンジして再現されている」と肯定的に評価した[1]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 4.19 3.85 3.91 3.72 3.42 3.46 22.54
  • ゲーム本『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』では、アーケード版で最大の特徴であった回転拡大縮小機能を使用した演出がカットされている事を指摘したが、難易度の低下や隠しコマンドによって難易度や残機設定が可能になるなど「遊びやすくなっている」と称賛した[14]。しかし、アーケード版で最も強い武器であった「ストックボンバー」が弱体化している点に関しては否定的に評価した[14]

サウンドトラック

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その他

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  • ワールドスタジアムEX』(1996年)に、オーダインのボーカル曲が収録されている。
  • 太鼓の達人』(2001年)に、オーダインのBGMのメドレーをアレンジした「大打音(オーダイン)」が収録されている。
  • PROJECT X ZONE 2:BRAVE NEW WORLD』(2015年)にショップ店員としてみゆきちゃんが登場(公式サイトやゲーム内では「みゆき」表記。そのショップではオーダインの1面BGMがかかる)。担当声優は折笠富美子。また、本作の事件が過去に森羅がかかわった事件としてストーリー中に零児が泊博士のことを話す。

脚注

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  1. ^ a b c d e 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、72頁。 
  2. ^ 土本学 (2007年7月26日). “8月の「バーチャルコンソール」新規配信開始タイトル” (日本語). iNSIDE. イード. 2020年1月25日閲覧。
  3. ^ Wii「バーチャルコンソール」の7月末&8月配信タイトル公開” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2007年7月26日). 2020年1月25日閲覧。
  4. ^ 「バーチャルコンソール」「バーチャルコンソールアーケード」「Wiiウェア」12月1日配信開始タイトル” (日本語). iNSIDE. イード (2009年11月30日). 2020年1月25日閲覧。
  5. ^ Switch/PS4『アケアカ オーダイン』が10月27日より配信。博士と助手を操作して悪人クボタに誘拐された恋人を救出するシューティング”. ファミ通.com. KADOKAWA (2022年10月26日). 2022年10月27日閲覧。
  6. ^ 簗島 (2022年10月26日). “PS4/Switch「アーケードアーカイブス オーダイン」,10月27日に配信。1988年にナムコから発売されたシューティングゲーム”. 4Gamer.net. Aetas. 2022年10月27日閲覧。
  7. ^ 畠中健太 (2022年10月26日). “泊博士を操作して、恋人・香奈を救え! 「オーダイン」がアーケードアーカイブスより10月27日に配信”. GAME Watch. インプレス. 2022年10月27日閲覧。
  8. ^ Gamer編集部 (2022年10月26日). “横スクロールSTG「アーケードアーカイブス オーダイン」がPS4/Switchで10月27日に配信!”. Gamer. ixll. 2022年10月27日閲覧。
  9. ^ a b c Ordyne for TurboGrafx-16 (1989)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月22日閲覧。
  10. ^ a b オーダイン まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年5月6日閲覧。
  11. ^ a b Ordyne for Wii (2007)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月22日閲覧。
  12. ^ a b c d e f g 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、22 - 23頁、ISBN 9784881994290 
  13. ^ a b 「最も愛されたゲームたち!! 読者が選んだベスト30」『ザ・ベストゲーム 月刊ゲーメスト7月号増刊』第6巻第7号、新声社、1991年7月1日、63頁、ASIN B00BHEECW0 
  14. ^ a b 「PCエンジンソフト完全カタログ 1989年」『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』スタンダーズ、2018年6月15日、49頁。ISBN 9784866362670 

外部リンク

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