カートゥーン ネットワーク・スタジオ

アメリカ合衆国のアニメーション・スタジオ

カートゥーン ネットワーク・スタジオCartoon Network Studios)は、アメリカ合衆国アニメーション・スタジオである。主にカートゥーン ネットワークで放送するテレビ・アニメーションを制作していたスタジオ。1994年10月21日ハンナ・バーベラの子会社として設立され、現在はワーナー・ブラザース・テレビジョン・スタジオの子会社であるが、2023年のスタジオの閉鎖時点で実質的にショーを中心となって制作する役割を終えている。

カートゥーン ネットワーク・スタジオ
Cartoon Network Studios
カートゥーン ネットワーク・スタジオ
本社所在地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州バーバンク
設立 1994年10月21日
業種 情報・通信業
事業内容 アニメーション映画テレビ番組の企画・制作
代表者 サム・レジスター英語版(社長)
エド・アダムス(副社長/ゼネラルマネージャー
ケリー・クルーズ(副社長、制作)
ローレン・マルティネス(副社長、シリーズ)
ジェイソン・デマルコ(SVP、アクション/日本製アニメ)
ヴィシュヌ・アスレヤ(SVP、現在のシリーズ)
所有者 ターナー・ブロードキャスティング・システム(1994年 - 1996年)
タイム・ワーナー(1996年 - 2001年、2003年 - 2018年)
AOLタイム・ワーナー(2001年 - 2003年)
ワーナーメディア(2018年 - 2022年)
ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(2022年 - 現在)
主要株主 ハンナ・バーベラ(1994年 - 2001年)
ターナー・ブロードキャスティング・システム(2000年 - 2019年)
ワーナー・ブラザース・テレビジョンKYAC(2019年 - 2022年)
ワーナー・ブラザース・テレビジョン・スタジオ(2022年 - 現在)
関係する人物 ウィリアム・ハンナ
ジョセフ・バーベラ
テッド・ターナー
外部リンク https://www.cnstudiosstairwell.com/
テンプレートを表示

歴史

編集

1990年代

編集

1994年10月21日ハンナ・バーベラの子会社として、カートゥーン ネットワーク向けの新作TVアニメーションを制作するカートゥーン ネットワーク・スタジオとして創立された。2001年3月12日、ハンナ・バーベラは親会社ターナー・ブロードキャスティング・システムのさらに親会社であるワーナー・ブラザースのアニメーション制作部門ワーナー・ブラザース・アニメーションに吸収合併され消滅した。一方カートゥーン ネットワーク・スタジオはタイム・ワーナー(現:ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)のグループ企業ながらターナーの下で存続し、ハンナ・バーベラの流れを受け継いでいる。

2000年代

編集

2010年代

編集

2010年代末期に日本人である冨ケ原美菜子氏がスタジオで勤務していた[1]。(スタジオ閉鎖までにスタジオで勤務できた日本人スタッフは美菜子氏のみである。)

2020年代

編集

2022年5月11日トム・アッシェイム英語版が社長を辞任して去った後、ワーナー・ブラザース・テレビジョングローバルキッズ、ヤングアダルト&クラシック部門は、新しい所有者であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーによるリストラの一環として解散し、カートゥーン ネットワーク・スタジオを含むスタジオはワーナー・ブラザース・テレビジョンの直下に移転した。

2022年10月11日、カートゥーン ネットワーク・スタジオとワーナー・ブラザース・アニメーションは、ワーナー・ブラザース・テレビジョンによる再編の一環として開発チームと制作チームを統合し、オードリー・ディールがキッズとファミリーを監督し、ピーター・ジラルディが大人向けアニメーションを監督し、サミー・パールマッターが長編アニメーション制作を監督した。合併はレーベルとしてのアウトプットに影響を与えず、カートゥーン ネットワーク・スタジオは引き続きオリジナルコンテンツに焦点を当て、ワーナー・ブラザース・アニメーションはクラシックフランチャイズに使用される[2]

2023年7月9日には企業再編の影響からスタジオの移転(つまり、事実上のスタジオの廃統合)が決まり[3]、2023年7月19日にはスタジオの関係者が社屋の外で記念撮影を行った[4]。その後、2023年8月1日までにスタジオから全員が退去することが確定していた。そのため、Adult Swimの作品を除く場合、スタジオの閉鎖まで制作され続けた作品は「Craig of the Creek(日本未上陸)」、「サマーキャンプアイランド」、「ぼくらベビーベアーズ」、「Adventure Time: Fionna and Cake(Max限定配信、日本未上陸)」などになった。スタジオ廃止後は、ワーナー・ブラザース・ロットに隣接し、800,000平方フィート以上のオフィススペースを持つ2棟の建物[5]であるセカンド・センチュリー・デベロップメントに移転し、事実上カートゥーン ネットワーク・スタジオのほとんどの制作陣はワーナー・ブラザース本部にあるワーナー・アニメーションハンナ・バーベラ・スタジオ・ヨーロッパなどに移籍されたことになる。同年12月5日、ハリウッド・プロダクション・センターが旧CNビルに再び移転したことが明らかになった。つまり、スタジオの建物は取り壊されない代わりに空き家状態となった。ブライアン・A・ミラーは、HPCが常にこの建物を所有しており、カートゥーン ネットワークが長期賃貸借契約を結んでいることを明らかにした。

カートゥーン ネットワーク・スタジオ本部で制作された作品は事実上打ち止めとなったため、それ以降に「CARTOON NETWORK STUDIOS」制作を名乗る作品はスタジオの本建物以外で制作された作品に移行していく可能性が高い。

2024年4月8日、スタジオの旧建物にある落書きされた階段が3Dモデル化され、公式からウェブサイト上で公開された[6]

制作作品

編集

カウ&チキン』のようにカートゥーン ネットワーク・スタジオが設立される前に製作が終了した作品、『エド エッド エディ』や『KND ハチャメチャ大作戦』のように完全外注の作品は除く。また、『ティーン・タイタンズGO』のようにワーナーアニメーション製の作品も除く。2001年以降にカートゥーン ネットワーク・スタジオで製作された作品は、本編の最後に「CARTOON NETWORK STUDIOS」のロゴが作品ごとに応じた演出で表示された後[注釈 1][注釈 2]、2001〜2016年の作品は「CARTOON NETWORK A Time Warner Company」(2003年より前の作品は「CARTOON NETWORK An AOL Time Warner Company」)のロゴとCARTOON CARTOONSのジングル・演出が約3秒間同時に流れる。2016〜2022年の作品の場合は、CNの立方体ロゴが互いに合体した後に「CARTOON NETWORK」のロゴになる演出が放映される。2021年以降のスタジオロゴの再度リニューアル以降は後者の演出が削除されている。前者のロゴはパイロット版作品でも放映される。

2023年のCartoon Network Studios閉鎖後、残った放映作品であるInvinsible Fight Girl(全10話[7])、Craig of the Creek(シーズン5・6のみ10話制作)についても2025年内に全てのエピソードが放映される可能性が高く、今後はハンナ・バーべラ・スタジオ・ヨーロッパ(おかしなガムボールなどの製作)などを中心に新作が放映される。

テレビシリーズ

編集

3代目ロゴ(1990年代)

3代目ロゴ(2000年代)

4代目、5代目ロゴ[注釈 4]

6代目ロゴ

TVスペシャル・事実上の劇場版

編集

実際に劇場で公開されたのは『パワーパフガールズ・ムービー』のみで、それ以外は事実上のOVAであり、カートゥーン ネットワーク、映像用ディスクメディアかMaxのみで視聴できる。

ロゴ

編集

初代ロゴ(1996年 - 1997年)

編集

 

2代目ロゴ(1996年 - 1997年)

編集

 

以上2つ、『ホワット・ア・カートゥーン!』および『デクスターズラボ』(シーズン1のみ)のCNスタジオ発足直後のロゴ。

3代目ロゴ(2001年 - 2012年)

編集

 

『サムライジャック』(シーズン5を除く)、『ビリー&マンディ』、『Megas XLR』、『フォスターズ・ホーム』、『キャンプ・ラズロ』、『クラスメイトはモンキー』、『- アルティメットエイリアン』以前の『ベン10』シリーズ、『クラス・オブ・ミュージック!』、『チャウダー』、『アドベンチャー・タイム』(シーズン1のみ)、『ジェネレーター・レックス』(シーズン1のみ)及び、2001年制作分以降の『ジョニー・ブラボー』、『デクスターズラボ』(シーズン3〜シーズン4)ならびに『パワーパフガールズ』。
作品に応じてキャラクターのミニアニメーションが入る。

4代目ロゴ(2010年 - 2015年)

編集

 

『アドベンチャー・タイム』(シーズン2〜シーズン5前半)、『ジェネレーター・レックス』(シーズン2以降)、『レギュラーSHOW〜コリない2人〜』(シーズン4まで)、『ベン10 オムニバース』(シーズン4まで)及び『パワーパフガールズ:ダンスパンツにご用心!』。
作品に応じてロゴ右下の白い正方形の中にキャラクターのミニアニメーションが入る。

5代目ロゴ(2013年 - )

編集

 

『サムライジャック』(シーズン5のみ)、『アドベンチャー・タイム』(シーズン5後半以降)、『レギュラーSHOW〜コリない2人〜』(シーズン5以降)、『ベン10 オムニバース』(シーズン5以降)、『おっはよー!アンクル・グランパ』、『スティーブン・ユニバース』、『ぼくはクラレンス!』、『ぼくらベアベアーズ』、『パワーパフガールズ』(2016年リブート版)、『ベン:10』(2016年リブート版)、『マイティ・マジソード』、『十分近い』(シーズン3を除く)など。
3代目同様、作品に応じてキャラクターのミニアニメーションが入る。

6代目ロゴ(2022年 - )

編集

 

ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが誕生してからスタジオが閉鎖する短い間のみ導入されたもの。
作品に応じてロゴの裏返しにキャラクターのミニアニメーションが入る。

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ 前者のスタジオのロゴは主に2001年〜2010年(初代)、2010年〜2015年(2代目)、2013年〜2021年(3代目)、2021〜2023年(4代目)の作品で演出が異なる。初期は演出中のキャラクターがほとんどの場合で白黒の線画に固定されていた(『ベン10』などを除く)。その後は固有演出の線画が廃止されて通常の作画となり、2022年以降はロゴの周りに背景のスライドも表示されるようになった。
  2. ^ 2000年代のパイロット版の作品ではスタジオロゴが固有演出のないものになっている場合がある。
  3. ^ 例外的に通常と異なる演出となっており、前者演出ではスタジオロゴではなくカートゥーンネットワークのロゴが最後に表記される。
  4. ^ 二代目ロゴは2010年〜2015年まで一部の作品で断片的に使用された。三代目ロゴは2013年〜2021年まで。
  5. ^ シーズン3のみ4代目ロゴに変更。

出典

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集