イントゥ・ホワイト
『イントゥ・ホワイト』(Into White)は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター、カーリー・サイモンが2007年に発表したスタジオ・アルバム。日本で先行発売された[5]。収録曲の大部分はカバーで、子守唄をコンセプトとした選曲になっている[6]。
『イントゥ・ホワイト』 | ||||
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カーリー・サイモン の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | マサチューセッツ州マーサズ・ヴィニヤード Parr Audio[3] | |||
ジャンル | ソフトロック | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | カーリー・サイモン、ジミー・パー | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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カーリー・サイモン アルバム 年表 | ||||
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背景
編集サイモンは当初、ブッカー・T・ジョーンズと共にロックンロール・アルバムを制作しようとしたが、コロムビア・レコードはサイモンの案に反対し、子守唄のアルバムの企画を出した[6]。これに関して、サイモンは「私がやりたかったこととは違うけど、私は子供達に向けて子守唄を歌ってきたし、今も家族でお互いに歌い合っているから、子守唄に対する抵抗感は何もない」とコメントしている[6]。
タイトル曲は、キャット・スティーヴンスがアルバム『ティー・フォー・ザ・ティラーマン』(1970年)で発表した曲のカバーである[2][7]。「目を閉じてごらん」は、かつてサイモンの夫だったジェームス・テイラーのカバーで、2人の間に生まれたサリー・テイラーとベン・テイラーがボーカルで参加した[2][8]。デヴィッド・ソー作の「クワイエット・イヴニング」及び「アイル・ジャスト・リメンバー・ユー」(後者はソーとベン・テイラーの共作)は本作が初出の曲で[8]、サイモン自身が書いた「ラヴ・オブ・マイ・ライフ」はノーラ・エフロン主演の映画『ディス・イズ・マイ・ライフ』(1992年)に提供した曲のリメイクだが[6]、本作では歌詞の一部が変更されている[8]。
反響・評価
編集アメリカでは2007年1月20日付のBillboard 200で初登場15位となり[9]、翌週には最高13位を記録した[4]。
Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「簡単に言えば、サイモンのアルバムとしては『ザ・ベッドルーム・テープス』以来の傑作で、質感は全く違うとはいえ『トーチ』や『男の子のように』といった過去の作品にも匹敵する」と評している[7]。また、Christian John WikaneはPopMattersのレビューで10点満点中8点を付け「サイモンの前作『ムーンライト・セレナーデ』は、ストリングスのオーケストレーションで盛り上がっていたのに対し、『イントゥ・ホワイト』は主にアコースティック楽器で成り立っている。全14曲の中に、ドブロ、チェロ、ピアノ、アコースティック・ギター、カリンバを中心としたパーカッション、それにフルートといった楽器が散りばめられているのだ」と評している[2]。
収録曲
編集- イントゥ・ホワイト - "Into White" (Cat Stevens) - 2:49
- オー! スザンナ - "Oh! Susanna" (Stephen Foster) - 2:58
- ブラックバード - "Blackbird" (John Lennon, Paul McCartney) - 2:30
- 目を閉じてごらん - "You Can Close Your Eyes" (James Taylor) - 3:21
- クワイエット・イヴニング - "Quiet Evening" (David Saw) - 4:22
- カーニヴァルの朝(「黒いオルフェ」のテーマ) - "Manhã de Carnaval" (Luiz Bonfá) - 2:22
- さらばジャマイカ - "Jamaica Farewell" (Irving Burgie) - 3:29
- ユー・アー・マイ・サンシャイン - "You Are My Sunshine" (Jimmie Davis, Charles Mitchell) - 2:36
- アイ・ゲイヴ・マイ・ラヴ・ア・チェリー(なぞなぞの歌) - "I Gave My Love a Cherry (The Riddle Song)" (Traditional) - 2:51
- 愛をいつまでも/夢を見るだけ - "Devoted to You/All I Have to Do Is Dream" (Boudleaux Bryant) - 2:58
- スカボロー・フェア - "Scarborough Fair" (Paul Simon, Art Garfunkel) - 3:38
- 虹のかなたに - "Over the Rainbow" (Harold Arlen, Yip Harburg) - 2:24
- ラヴ・オブ・マイ・ライフ - "Love of My Life" (Carly Simon) - 2:54
- アイル・ジャスト・リメンバー・ユー - "I'll Just Remember You" (Ben Taylor, D. Saw) - 2:24
日本盤ボーナス・トラック
編集- ハッシュ・リトル・ベイビー/マイ・ボニー - "Hush Little Baby/My Bonnie" (Traditional) - 5:02
参加ミュージシャン
編集- カーリー・サイモン - ボーカル(all songs)、アコースティック・ギター(on #14)
- ベン・テイラー - ボーカル(on #4)、ギター(on #5, #11)、バックグラウンド・ボーカル(on #3, #5, #7, #8, #10)
- サリー・テイラー - ボーカル(on #4)
- ピーター・カロ - ギター、ドブロ・ギター、8弦ギター
- デヴィッド・ソー - ギター
- ティーズ・ゴール - ピアノ、エレクトリックピアノ、キーボード、シンセサイザー、ベース、フルート、パーカッション、カリンバ、バウロン、ストリングス・アレンジ
- ジミー・パー - ベース、パーカッション、カリンバ、ウッドブロック、バックグラウンド・ボーカル
- ジャン・ハイヤー - チェロ(on #1, #3, #6, #9, #10, #12, #13)
脚注
編集- ^ “カーリー・サイモン/イントゥ・ホワイト”. CDJournal. 音楽出版社. 2019年6月26日閲覧。
- ^ a b c d Wikane, Christian John (2007年1月8日). “Carly Simon: Into White”. PopMatters. 2019年6月26日閲覧。
- ^ CD英文ブックレット内クレジット
- ^ a b “Carly Simon Into White Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2019年6月26日閲覧。
- ^ “カーリー・サイモンの最新作、日本発売決定”. CDJournal. 音楽出版社 (2006年12月6日). 2019年6月26日閲覧。
- ^ a b c d Holden, Stephen (2007年1月1日). “Hush, Little Baby, Mama's Crooning”. The New York Times. 2019年6月26日閲覧。
- ^ a b Jurek, Thom. “Into White - Carly Simon”. AllMusic. 2019年6月26日閲覧。
- ^ a b c CD英文ライナーノーツ(カーリー・サイモン)
- ^ “Top 200 Albums - The Week of January 20, 2007”. Billboard. 2017年6月26日閲覧。