イリドウイルス科
イリドウイルス科(Family Iridoviridae)とは、直径125-300nmの正二十面体構造のカプシドを持ち、線状の2本鎖DNAをゲノムとするDNAウイルスの一科。
イリドウイルス科の多くのウイルス種はエンベロープを持たないが、いくつかのウイルス種はエンベロープを持つ。なお、脊椎動物に感染するイリドウイルス科のウイルスのエンベロープは感染に必須のものではない。ウイルスの核酸の合成は宿主細胞の核内で行われ、ウイルス粒子の組み立ては細胞質内で行われる。細胞質内封入体を形成する。
アスファウイルス科のアフリカ豚熱ウイルスは、かつてはイリドウイルス科に分類されていた。
ダンゴムシがイリドウイルスに感染すると体が青くなることが知られている[1]。 なお、ダンゴムシに感染する種類のイリドウイルスは、人間には感染しない[2]。
分類
編集- Genus Ranavirus
- カエルウイルス3(frog virus 3)
- 流行性造血器壊死ウイルス(epizootic haematopoietic necrosis virus)
- ヨーロッパナマズウイルス(European catfish virus)
- Genus Lymphocystivirus
- ヒラメリンホシスチス病ウイルス(lymphocystis disease virus 1)
- コガレイリンホシスチス病ウイルス(lymphocystis disease virus 2)
- Genus Megalocytivirus
- 伝染性脾臓腎臓壊死ウイルス(infectious spleen and kidney necrosis virus)
関連項目
編集- マダイイリドウイルス病 - マダイの肝臓、心臓、腎臓に好塩基性異形巨大細胞
- リンホシスチス病 - ブリ、カレイ、タイなどの体表や鱗に疣状突起物(リンホシスチス細胞)
- ウイルス性赤血球壊死症 - サケ科魚類、タラ、ニシンなどの鰓の褪色、貧血、赤血球の多様な変性
- 流行性造血器壊死症
脚注
編集- ^ “宝石のような青いダンゴムシ。だが正体は…|おどろきダンゴムシ図鑑|奥山風太郎”. 幻冬舎plus (2020年7月1日). 2021年11月7日閲覧。
- ^ “珍しい、貴重…虫いろいろ大集合 赤穂で特別展”. 神戸新聞NEXT (2019年8月12日). 2021年11月7日閲覧。
参考文献
編集- 獣医学大辞典編集委員会編集 『明解獣医学辞典』 チクサン出版 1991年 ISBN 4885006104
- 鹿江雅光、新城敏晴、高橋英司、田淵清、原澤亮編 『最新家畜微生物学』 朝倉書店 1998年 ISBN 4254460198
- 見上彪監修 『獣医感染症カラーアトラス』 文永堂出版 2006年 ISBN 4830032030