アリイン
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アリイン(英: Alliin)は、新鮮なニンニクに含まれる天然のスルホキシドである[1]。アリインはシステインの誘導体である。新鮮なニンニクを切ったり摺り下ろしたりするとアリナーゼによってアリシンに変換される。アリシンはニンニクの独特な芳香の原因である。
アリイン | |
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(+)-L-アリイン
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(2R)-2-アミノ-3-[(S)-2-プロペニルスルフィニル]プロパン酸 | |
別称 3-(2-プロペニルスルフィニル)アラニン (S)-3-(2-プロペニルスルフィニル)-L-アラニン 3-((S)-アリルスルフィニル)-L-アラニン S-アリル-L-システインスルホキシド | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 556-27-4, 17795-26-5 |
PubChem | 957608987310 |
日化辞番号 | J13.586K |
KEGG | C08265 |
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特性 | |
化学式 | C6H11NO3S |
モル質量 | 177.22 g/mol |
外観 | 白色結晶 |
融点 |
163-165℃ |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | External MSDS |
NFPA 704 | |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
異性体
編集不斉中心が2位の炭素と硫黄原子に存在しており、理論上4つの異性体が存在する。 天然には(+)-L-アリイン[4]と(−)-L-アリイン[5]の2つが存在している。これらは互いにジアステレオマーの関係にある。残りの2つは(−)-D-アリイン[6]と(+)-D-アリイン[7]である。これらも互いにジアステレオマーの関係にある。また前2者と後2者はそれぞれ鏡像関係となっている。[8]
脚注
編集- ^ Iberl, B et al (1990). “Quantitative Determination of Allicin and Alliin from Garlic by HPLC”. Planta Med 56: 320–326. doi:10.1055/s-2006-960969.
- ^ Kourounakis, PN; Rekka, EA (Nov. 1991). “Effect on active oxygen species of alliin and Allium sativum (garlic) powder”. Res Commun Chem Pathol Pharmacol. 74 (2): 249–252. PMID 1667340.
- ^ Salman, H et al (Sep. 1999). “Effect of a garlic derivative (alliin) on peripheral blood cell immune responses”. Int J Immunopharmacol. 21 (9): 589–597. doi:10.1016/S0192-0561(99)00038-7. PMID 10501628.
- ^ または (+)-S-アリル-L-システインスルホキシド
- ^ または (−)-S-アリル-L-システインスルホキシド
- ^ または (−)-S-アリル-D-システインスルホキシド
- ^ または (+)-S-アリル-D-システインスルホキシド
- ^ Eric Block (2010). Garlic and Other Alliums. The Royal Society of Chemistry(RSCPublishing). p. pp103. ISBN 978-0-85404-190-9