Վ
Վ, վ(アルメニア語: վեվまたはվև、発音はvev)は、アルメニア文字の30番目の文字である。405年ごろにメスロプ・マシュトツによって作成されたと見られる。
使用
編集東アルメニア語・西アルメニア語では有声唇歯摩擦音[v]を表す。ラテン文字化する時は「V」と記す[1]。記数法では3000を表す。
1922年の正書法改正で同音の「Ւ」は合字「Ու」「և」以外の場合で廃止されたため、すべての「Ւ」がこの文字に書き換えられる。また、[v]と発音する「ու」も「վ」に書き換えられる。現行のアルメニア共和国の正書法でもこれを継承している(թիւ → թիվ、Եւրոպա → Եվրոպա、բացուել → բացվելなど)[2]。
文法上でこの文字を動詞の原形の語尾-ելの前に挿入するなどにより、受動態となる(սիրել → սիրվել、խոսել → խոսվել、կարդալ → կարդացվելなど)[3]。
書体
編集符号位置
編集文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|
Վ | U+054E |
- |
Վ Վ |
|
վ | U+057E |
- |
վ վ |
脚注
編集- ^ 吉村貴之『平成25年度言語研修アルメニア語(東)研修テキスト1 東アルメニア語文法Ⅰ』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所〈平成25年度言語研修アルメニア語 (東) 研修テキスト1〉、2013年、2頁。doi:10.15026/95079。ISBN 9784863371385。 NCID BB17916845 。2022年1月10日閲覧。
- ^ “О НЕКОТОРЫХ ВОПРОСАХ АРМЯНСКОЙ ОРФОГРАФИИ” (PDF). 2021年9月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月20日閲覧。
- ^ 吉村貴之『平成25年度言語研修アルメニア語(東)研修テキスト2 東アルメニア語文法Ⅱ』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所〈平成25年度言語研修アルメニア語 (東) 研修テキスト2〉、2013年、17頁。doi:10.15026/95078。ISBN 9784863371392。 NCID BB17916936 。2022年1月10日閲覧。